ウェザーニューズは3月7日、洋上風力発電設備の建設作業の支援を目的として、洋上風力発電市場向けの海上作業支援サービス「ANEMOI(アネモイ)」の提供を国内およびグローバルで開始したことを発表した。海上の気象データを1キロメートルメッシュで提供し、洋上の風力発電に関わる事業者は約2週間先までの工程計画の策定や作業可否の判断に活用できるという。
同サービスでは、作業船が港と発電設備の間を航行する際の運航可否判断支援コンテンツや、建設・メンテナンス作業のリスクを作業項目ごとに可視化する作業計画支援コンテンツを提供するとのことだ。また、作業現場のピンポイントな予報をグラフや数値で表示可能。
洋上風力発電設備の建設作業は安全性の観点から作業中止基準が低く、高精度な気象データが求められている。これに対し同社は、洋上風力発電市場向けの独自モデル「EMOTION(エモーション)」を開発した。この予測モデルは世界中の海上の波や風を1時間ごとに72時間先まで予測可能。
従来の海上の波や風の予測データの解像度は5キロメートルメッシュが一般的なところ、EMOTIONは1キロメートルメッシュでの予測が可能。今後は、建設現場の過去データや建設作業中、および運用中に観測するリアルタイムのデータを取り込むことで、AI(Artificial Intelligence:人工知能)による即時補正を施して精度を高めるバージョンアップも予定しているという。
ANEMOIではEMOTIONの結果に加えて、独自気象予測モデルによる波、風、天気、視程、降水量、気温、湿度、台風、落雷などの情報を最大15日先まで確認可能。約2週間先までの工程計画の策定や作業可否判断に活用できる。