ITフリーランスのマッチング・サービスである「フリエン」「チョクフリ」を展開するアン・コンサルティングは2月22日、女性エンジニアに関する調査結果を発表した。これによると、キャリアアップを望む女性エンジニアは66.7%であり、またおよそ4人に1人がフリーランスへの転向を考えているという。
同調査は同社が3月8日の国際女性デーに合わせ、1月20~23日に全国の20~59歳の女性で企業に勤務するエンジニアおよびフリーランスのエンジニアを対象として、インターネットにより実施したもの。有効回答者数は企業勤務のエンジニアが258人、フリーランスが42人の計300人。
企業で勤務する女性エンジニアには勤務先について、フリーランスには出向先または受託元について、女性エンジニアの割合を尋ねたところ、「20~29%」が28.8%と一番多く、次いで「30~39%」で23.5%と続いた。40%以上との回答は10%未満だった。
企業勤務の女性エンジニアに役職を聞くと、一般社員が77.9%と最多であり、以下、主任クラス(11.2%)、係長クラス/課長クラス(いずれも4.7%)、部長クラス(1.6%)と続く。女性管理職として活躍している回答者(主任クラス~部長クラス)は全体の22.1%に留まっている。
勤務先で導入している制度を聞いたところ、在宅勤務制度が67.0%、リモートワーク制度が56.0%だった。勤務時間についても、フレキシブルに働けるよう時短勤務制度を導入している企業が47.0%、フレックス制度が43.7%と、4割以上の企業が柔軟性を持つ制度を導入している。
エンジニアになった理由を尋ねると、「手に職をつけられそう」が26.3%、「専門性が高い仕事だから」が26.0%、「知識やスキルが得られる」が25.7%で、専門性が必要な仕事でしっかり手に職をつけ、スキルの体得を目的としている人が多いようだと同社は分析する。
また、「自分の能力や個性が生かせそう」が22.0%、「モノづくりをしたかった」が21.7%で、自分の得意なことを活かし自己実現をしたいという理由が続く。
企業に勤務する女性エンジニアに対して、フリーランスになることを考えたことがあるか聞くと、「なることが決まっている」が1.2%、「考えていて準備をしている」が2.3%、「考えているが悩んでいる」が8.1%、「考えたことがある」が13.6%であり、計25.2%とおよそ4人に1人がフリーランスになることを考えている。
「フリーランス転向を考えているが悩んでいる」または「過去に考えたことがある」という回答者に、悩んでいるまたはならなかった理由を尋ねると、「仕事を見つけることが難しそう」が64.3%と最多であり、以下「収入が不安定そう」(51.8%)、「福利厚生がない」(39.3%)と続く。
現在フリーランスの女性エンジニアに対してフリーランスになった理由を聞いたところ、「時間にとらわれない働き方ができそう」が64.3%で最も多く、以下「自分のやりたい仕事ができそう」(40.5%)、「場所にとらわれない働き方ができそう」(35.7%)の順だった。
フリーランスになってよかったことでは、「時間にとらわれない働き方ができた」が61.9%と最多であり、以下「自分のやりたい仕事ができた」(35.7%)、「場所にとらわれない働き方ができた」(33.3%)が続く。
女性エンジニアとして悩んだ経験を尋ねると、「家庭と仕事の両立」が26.0%、「業務スキルが足りない」が24.7%、「気軽に相談できる相手が少ない(いない)」が23.7%、「残業が多い、休みが少ない」が20.0%だった。
苦労したエピソードでは、「女性の体調面に関する連絡や相談ができなかった」「結婚、出産と変化があるごとに退社に追い込まれた」「出産と昇進のタイミングが同じだと、昇進できない」という意見があった。
悩んだことがあること、苦労したエピソード共に、女性ならではの身体の不調や家庭との両立という面に悩んだ経験がある方が多いようだと同社は見る。
今後エンジニアとしてキャリアアップをしていきたいか聞いたところ、「そう思う」が22.0%、「ややそう思う」が44.7%と、計66.7%が前向きにキャリアアップを考えている。
女性エンジニアが働きやすくなるために必要だと思うことを尋ねると、「柔軟な勤務形態の整備」が53.3%、「福利厚生の整備・充実」が52.3%、「適正な労働時間の管理」が45.7%だった。
キャリアアップを望む女性エンジニアが6割以上と多数いることから、柔軟な勤務形態・福利厚生の設備を企業側がしっかり対応することで、女性がもっと活躍できる職種になるのかもしれないと、同社は推測する。