AI検索で検索エンジン市場を揺るがす米Microsoft(マイクロソフト)の「Bing」。OpenAIが提供する対話型AI「ChatGPT」を統合したBingの限定プレビューの公開から1週間が経過した。MicrosoftではOpenAIのChatGPTおよび、ChatGPTも採用する大規模言語モデル「GPT 3.5」を取り入れたBingを2月7日に公開している。

71%がAIの回答に対してプラス評価

公開から48時間で100万人以上がウェイティングに登録するなど注目を集めている。現在、169カ国の限定ユーザーがプレビュー版を利用している。

それによると、これまでの検索結果や新しい機能である要約、チャット体験、コンテンツ生成ツールなどでエンゲージが向上しているという。

71%がAIによる回答に対してプラス評価を意味するサムアップを選択し、セッション中に複数の質問をして新しい情報を探る「健全なエンゲージ」があるとのことだ。

検索と回答については、回答に添える引用や参考文献に高い評価が得られているとする一方で、スポーツの試合などタイムリーなデータが必要となるものについては課題があるとしている。

企業の決算など、直接的で事実に基づく回答につながるクエリについては、根拠となるデータを約4倍増やす計画もある。

チャットについては、わかりやすくアクセスしやすいデザインになっていると評価しつつ、ソーシャルエンターテイメントのツールとしての利用は想定外だったと記している。

長いセッションには課題も

一方で、質問が15以上になるような長いセッションでは、回答を繰り返したり、有用ではない回答をするように促されることがあることも認めている。

原因として、「長いチャットセッションは、モデルが何の質問に答えているのかを混乱させる可能性がある」としており、より細かな制御を加える方法を検討しているという。

また、読み込みが遅い、リンク切れなどの技術的な問題やバグも報告されているという。デイリーでのリリース、週ベースの大規模リリースで対応していくとしている。

これらに加え、新機能のリクエストとして航空券予約、メール送信などの要求が寄せられていることも報告している。

Statcounterによると、世界検索エンジン市場はGoogleが92.9%を圧倒的な地位を占め、Bingは2位につているものの、わずか3%となっている(2023年1月)。同社は2月15日、公式ブログで公開から1週間の報告を綴っている。