日本音楽著作権協会(以下、JASRAC)とGoogleは2月10日、動画共有サイトYouTube上におけるJASRAC管理楽曲の利用について、新たな許諾契約を締結したことを発表した。JASRACは作詞・作曲を手掛けるクリエイターや音楽出版社などの権利者に対し、より精密な使用料の分配を実現するものとしている。

両社は2008年10月に、YouTubeでのJASRAC管理楽曲の利用についてパートナーシップを締結し、YouTubeにアップロードされた動画のライセンスを管理してきた。2023年現在までに、7500万曲以上のJASRAC管理楽曲がYouTubeで利用可能となっている。

JASRACは今回の新たな契約に基づいて、音楽クリエイターらへの適切な分配を図るために、YouTubeが提供する自動コンテンツ識別システム「Content ID」の本格活用を開始する。

YouTubeに投稿された動画にJASRAC管理楽曲が含まれていることをYouTubeのシステムが検知した場合に、Content IDの仕組みにより「著作権の申し立て」をJASRACが実施した旨が動画投稿者に通知されることがあるという。なお、動画でJASRAC管理楽曲の利用が確認されたことを知らせる通知であり、投稿者は動画の削除や非公開にする必要はないとのことだ。

通知に伴って、広告が表示されていなかった動画にも広告が表示されるようになる。この広告収益の一部が著作物使用料として、JASRACを通じて音楽クリエイターら楽曲の権利者へ分配される仕組みとなる。

また、これまで収益化されていた動画においても、YouTubeパートナープログラムに参加している動画クリエイターは引き続きの収益化が可能。しかし、その条件に変更が生じる場合があるという。