キヤノンは1月31日、有償アプリケーションのインストールにより、映像制作用リモートカメラに機能を拡張する「アドオンアプリケーションズシステム」の提供を開始することを発表した。第一弾として「自動追尾アプリケーション RA-AT001」と「自動ループアプリケーション RA-AL001」を4月中旬より発売する。価格はオープン。

  • イベントや講義配信での自動追尾のイメージ

    イベントや講義配信での自動追尾のイメージ

「アドオンアプリケーションズシステム」によりユーザーは、用途に応じて必要な有償アプリケーションをインストールすることで、機能を追加することが可能となる。サーバやPCなどを要せず、カメラ本体内で動作するためシンプルなシステム構成が可能。オペレーターはカメラのスイッチングや配信といった他の作業に集中でき、リモートプロダクションにおける作業負荷軽減や省人化に貢献するとしている。

対象機種は、屋内型4Kリモートカメラの最上位モデル「CR-N700」(2022年12月発売)で、今後「アドオンアプリケーションズシステム」対象のリモートカメラおよび提供アプリケーションを拡充予定だという。

「自動追尾アプリケーション RA-AT001」は、プレゼンターが登壇するイベントや講義などの配信において、指定した人物を自動追尾する機能。カメラ内で解析をするため追従性が高く、全身、上半身、バストアップといった自由度のある撮影画角で、ゆっくりした歩行から、早歩きまで対応する。高精度なカメラのパン・チルト機構との相乗効果で、一般的なイベントや講義用途で想定される人物撮影に加え、映像制作用途で求められる低速での人物撮影でもなめらかな自動追尾を実現する。また、「構図設定」「追尾感度設定」「優先表示領域」など、豊富な調整項目を備える。

  • コンサート配信での自動ループのイメージ

    コンサート配信での自動ループのイメージ

「自動ループアプリケーション RA-AL001」は、イベント、インタビュー、スポーツの動画配信や、TVCM・映画の制作などにおいて、従来カメラマンが演出として撮影していた緩やかなパン・チルト・ズーム(PTZ)動作などを繰り返し自動で行う機能。指定した複数の地点を巡回する動作と往復する動作から選択でき、地点ごとの停止時間を決める「ポジション設定」、移動速度などを決める「ルート設定」「プレビュー」「開始」まで、設定画面内で簡単に実行できる。開始・停止時の加減速を調整するフェードモードによって、プロカメラマンのようなカメラワークが可能だとする。