キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は6月20日、ハイブリッド型クラウド映像プラットフォーム「VisualStage Pro powered by Arcules(VisualStage Pro)」を7月1日に提供開始すると発表した。VisualStage Proは米Arcules(アーキュリーズ)社が開発した、キヤノングループ初のハイブリッド型VSaaS(クラウドによる映像監視サービス)となる。

  • 「VisualStage Pro powered by Arcules」のサービス概要図

    「VisualStage Pro powered by Arcules」のサービス概要図

VisualStage Proは、オンプレミス型の映像管理ソフトウェアを提供する米Milestone Systemsから分社化した、Arculesが開発しており、6000機種以上のネットワークカメラへの対応に加え、IoTデバイスや映像解析ソフトウエアなどと連携し一元管理することで企業内DXを推進するクラウド映像プラットフォーム。

キヤノンマーケティングジャパン ソリューションデベロップメントセンター長兼NVS企画本部 担当本部長の寺久保朝昭氏は「ユーザーからは多拠点・多台数をクラウドで使いたい、さまざまなベンダーのカメラを使いたい、Xprotectをクラウドで使いたい、IoTデバイスや他システムと連携したい、通信の負荷を減らしたいという声があったため、新サービスを提供する」と述べた。

  • キヤノンマーケティングジャパン ソリューションデベロップメントセンター長兼NVS企画本部 担当本部長の寺久保朝昭氏

    キヤノンマーケティングジャパン ソリューションデベロップメントセンター長兼NVS企画本部 担当本部長の寺久保朝昭氏

また、Arcules APACセールスディレクターのErik Friis Mondorf(エリック・フリース・モンドーフ)氏は「マルチベンダーカメラに対応するとともに、APIによる画像解析機能の拡張とITシステムとの連携、IoTデバイス接続が可能だ。など、VMS(Video Management Software:監視・防犯カメラの映像を録画、管理、閲覧するためのソフトウェア)とクラウドの強みを兼ね備えたクラウドサービスだ」と力を込める。

  • Arcules APACセールスディレクターのErik Friis Mondorf(エリック・フリース・モンドーフ)氏

    Arcules APACセールスディレクターのErik Friis Mondorf(エリック・フリース・モンドーフ)氏

これまで、キヤノンMJではオンプレミス型の映像管理ソフトウェア「Milestone XProtect」を中心に、ネットワークカメラ映像の効率的な一元管理と高度な分析を実現していたほか、監視目的にとどまらず業種業態に合わせた企業内DXの展開で、企業における映像利活用を支援してきた。

一方で、昨今働き方の多様化や人手不足などの課題を受け、時間や場所を問わず容易に現場を映像で確認したいなどのニーズが高まり、映像のクラウド活用が拡大しているという。そこで、同社はより多くの企業において映像の一元管理を実現するとともに、その利活用を通じた企業内DXを推進するため、VisualStage Proの提供を開始。

VSaaSの特徴でもある、容易な遠隔モニタリングのほか、既存の録画レコーダーを専用ゲートウェイに入れ替えるだけで、導入コストを抑えて簡単にクラウド環境へ移行することが可能なほか、クラウドのため日々の機器管理業務や専任のIT管理者も不要だという。

さらに、Arculesの独自技術により、クラウドとオンプレミスのハイブリッドでの録画管理を実現。これにより、特に多拠点・多台数のカメラを有する大企業において、万が一通信回線に障害が発生した場合でもゲートウェイ内に録画データを一時保存し、復旧時に自動でクラウドへアップロードするため、録画欠損を回避することを可能としている。

また、すべての録画データをクラウドで保存する「Pure Cloudモード」と、専用ゲートウェイに録画データを保存しクラウドを介して閲覧する「Edge Cloudモード」を、拠点の環境に合わせて選択できることから、通信回線圧迫などによる業務への影響を最小限に留めることができるという。

  • VisualStage Proの利用イメージ

    VisualStage Proの利用イメージ

キヤノンMJはVisualStage ProとMilestone XProtectをシームレスに連携させ、クラウドとオンプレミスを持つベンダーとして、拡大を続ける映像監視管理市場でのリーディングカンパニーを目指す。また、今後はキヤノングループの技術とパートナー企業との連携により、映像データを活用した企業内DXをさらに推進することで、社会課題の解決を支援していく考えだ。

キヤノン 執行役員 イメージソリューション第一事業部長の甲谷英人氏は「市場環境としては店舗・工場・医療現場などで映像データ活用分野の広がりが想定されている。そのため、映像データ活用ネットワークカメラ事業においては、カメラ本体と映像管理や解析ソフトを含めたソリューションの開発・提供による強化を図り、年率15%の成長を目指す」と展望を口にしていた。

  • キヤノン 執行役員 イメージソリューション第一事業部長の甲谷英人氏

    キヤノン 執行役員 イメージソリューション第一事業部長の甲谷英人氏

  • ネットワークカメラ事業における今後の展開

    ネットワークカメラ事業における今後の展開

価格は税別でPure Cloudモードが月額1200円~、Edge Cloudモードが同1100円、専用ゲートウェイがオープン、まずは、年間1万ライセンスの提供を計画している。