Space BDは1月27日、新たな試みとして、海外でも活躍するアーティストであるMasa Hayami氏のアート作品を2023年度内に宇宙に打ち上げ、地球に帰還後にNFT化する「宇宙×アート×NFT」のコラボレーションの取り組みを開始すると発表した。

打ち上げ予定のアート作品は、今回のプロジェクトのために制作されるもので、打ち上げ後、約6か月ほど宇宙空間に触れされた後、地球に帰還。その後、制作過程と宇宙に打ち上げられたという証明が付与される形でNFT化され、展開される予定だという。

宇宙空間への打ち上げから地球帰還にあたっては、Space BDが主導で推進する国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)に搭載する新たな簡易材料曝露実験ブラケット(ExBAS)を活用したサービス(スペースデリバリープロジェクト-RETURN to EARTH-)を活用するとしている。

また、アート作品は、制作の過程で、プロジェクト参加者から「あなたの、思い描く理想的な未来とは?」をテーマに言葉や絵にしたものを集め、その集まったものと、伝統工芸品などを組み合わせ、Masa Hayami氏が調和とレイヤリング手法のステップで制作するという。

  • Masa Hayami氏

    Masa Hayami氏による宇宙へ打ち上げるアートの制作風景 (提供:Space BD)

Masa Hayami氏は、今回の取り組みについて、「今回、この宇宙とアート、NFTプロジェクトのお話を頂いた時は、そのあまりにもダイナミックでスケール感が有り、また夢のあるプロジェクトに、日本人芸術家として、初めてオファーを頂いた事に、非常に光栄に感じ、感激しました。

予期もせぬパンデミックが世界中に訪れて、何年か経ちました。まだ完全にはこのパンデミックは終わってはいませんが、通常の暮らしが段々とできるようになってきた今、私達人間にとって大切なもの、見落としていた物を再認識できているのではないでしょうか。私もその1人です。 またこの時代においても起こっている戦争、そして環境問題、様々な社会的課題を抱えながら、私自身、芸術家としてどうあるべきか、どう活動すべきか。また自分自身、どう生きていくべきか。自問自答しながら、毎日を生き、考えて、制作や活動の日々を過ごしています。

今回の宇宙プロジェクトの作品は、一般の方々で、私の地球の宝物・NFTアートのホルダー、コレクターさんにも参加して頂き、一部の作品が仕上がっていく事になります。

未来ウィッシュ、未来スクリプトを言葉や絵で描いて頂き、そちらを私が作品化する形になります。人々の想いや愛が重なり、ハーモニーになり、それが宇宙へと。

未来は積み上げて、作り上げいくものと信じて、最終の形や出来上がりが全く見えずに、ゼロから制作するのが、私の毎回の制作スタイルです。

今回の宇宙飛行で、アートがどういう形で帰ってくるのか。またそこからの展開は…未来へ向けた、フューチャーアートの制作が今、まさに始まりつつあります。」とコメントしている。

なお、Space BDでは、アートが持つ人々の心に豊かさを与える力と宇宙とNFTのコラボレーションにより、希少性の高い付加価値が創出される世界でも類を見ない取り組みだと今回の取り組みを説明しており、「多くの方に宇宙を身近に、そして明るい未来を感じていただけるプロジェクトを目指す」とコメントしている。