山形県酒田市とスプリックスは1月25日、教育DX(デジタルトランスフォーメーション)分野で連携協定を締結するため、山形県酒田市役所内で両者の調印式を行った。
調印式には、山形県酒田市教育長の鈴木和仁氏とスプリックス常務執行役員の梅田修平氏が登壇し、酒田市の教育DXの未来について展望を語った。
デジタル変革戦略を進める酒田市
酒田市は2021年より「住民サービス」「行政」「地域」の3軸から街全体でデジタル変革戦略を掲げており、DXの推進に積極的な自治体だ。特に教育DXにおいては、県内でも先進的な取り組みを行っているという。
そして今般、教育DXをさらに加速し、酒田市の教育振興に寄与するため、酒田市の公教育におけるICT 活用の実績を数多く有するスプリックスと連携協定を締結するに至った。
今回の連携により、スプリックスのCBTパッケージ「CBT for school」を酒田市の小中学校に導入し、継続的に学習データを取得することで子どもたち一人ひとりの学力を詳細に測って個別最適な学びや学習習慣の定着につなげるほか、教員の作業負担の軽減も図る。
CBTとは、Computer Based Testingの略称で、コンピュータを使った試験方式のこと。スプリックスの「CBT for school」では、TOFAS、プログラミング能力検定、単元別テストの3つを受験することができる。
鈴木教育長は、CBT for schoolを導入するに至った経緯について、以下のように語った。
「酒田市では、小中一貫教育を進めており、その9年間を通した『学習習慣の形成』を大切にしています。そんな中で、9年間を通してコツコツ学ぶことができるCBT for schoolは、本市の目指す教育の形に合致していると感じ、ぜひ導入したいと考えておりました」(鈴木教育長)
また、小中学校の単元の中で、好きな科目や得意な科目を先取りして学ぶことができるのも、同市が目指すパーソナライズされた学びと合致していると思い、導入を決めたという。
「導入」ではなく「連携」を選んだ理由
今回、CBT for schoolの導入を決めた酒田市だが、導入にとどまらずスプリックスと連携して教育DXを推進していくことも発表している。
「ただツールを導入するのではなく、連携して改善していくことに意味があると思っているため、あえて連携を結びました」(鈴木教育長)
ツールを導入してみて、それを活用した生徒や教員の声を反映し、より同市にとって使いやすいようにアップデートしていくことに連携の狙いがあるようだ。
「CBT for schoolは、まだまだ完成された完璧なツールとは言えないのが現状です。酒田市の生徒・児童のみなさま、教職員のみなさまに協力いただき、学校現場に最も寄り添える形でブラッシュアップしていきたいと考えています」(梅田氏)