同実験では、60名の健常者をプラセボ群(PHGG非摂取群)、PHGGを1日に3g摂取する群(3g/日摂取群)、5gを摂取する群(5g/日摂取群)の3群に分け、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験を実施した。被験者は8週の間、プラセボもしくはPHGGを毎日継続して摂取し、腸内細菌叢・排便状況・便成分・身体検査・メンタルヘルス(睡眠や意欲など)に与える影響の検証が行われた。

まず腸内細菌叢については、プラセボ群と比較して、摂取した2つの群では短鎖脂肪酸産生に寄与する菌が増加し、ムチン分解および炎症への関与が示唆される菌の増殖が抑制されるなど、腸内細菌叢に良い変化が認められたという。中でも5g/日摂取群では、プラセボ群に比べて排便頻度が増加し、排便のすっきり感が改善するなど、便通改善作用が確認されたとした。

そしてメンタルヘルスに関しては、試験期間中は新型コロナウイルス感染症が急拡大していた時期であり、ストレスを感じやすい状況だったためか、摂取開始4週後に全群においてスコアが低下したという。摂取開始8週後には全群でスコアが回復したが、プラセボ群よりもPHGGを摂取した2群の方がスコアが改善する傾向にあったとする。特に5g/日摂取群に関しては、「目覚めのすっきり感」、「起床時の疲労感」、「仕事や勉強に対するやる気」のスコアにおいてプラセボ群に比べて有意な改善が確認されたとした。

今回の研究により、PHGGの摂取によって健常者の腸内環境が良好に維持され、睡眠の質の改善、仕事や勉強に対するやる気の維持などが確認された。これらのことからPHGGは、腸内環境改善を介してメンタルヘルスに寄与する可能性が示されたとする。また、1日3gのPHGG摂取でも腸内細菌叢に良い影響を与えることも判明した。

研究チームは今後、詳細なメカニズムの解明を目指して、より大規模な試験が望まれるとしている。また併せて、PHGGは腸内環境改善だけではなく心の健康の維持にも活用できることが期待されるとした。