宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、今年度中の打ち上げを予定していた日本の次世代基幹ロケット「H3」の試験機1号機の打ち上げ日を2023年2月12日に決定したことを発表した。

  • H3ロケット試験機1号機

    2022年11月7日に実施された1段実機型タンクステージ燃焼試験(CFT)の後、翌8日に第2射点(LP2)から大型ロケット組立棟(VAB)に戻る際に撮影されたH3ロケット試験機1号機 (C)JAXA

打ち上げ予定時間帯は10時37分55秒から10時44分15秒(日本標準時)で、打ち上げ予備期間は2月13日~2月28日としている。

搭載されるのは先進光学衛星「だいち3号(ALOS-3)」で、陸域観測技術衛星「だいち」(2006~2011年)の光学ミッションを引き継ぐ地球観測衛星という位置づけとなっている。「だいち」と比べて大型化・高性能化したセンサの搭載により、「だいち」の直下70kmという観測幅を維持しつつ、直下0.8mというより「だいち」の約3倍となる地上分解能を実現する。

また、「だいち」では白黒画像とカラー画像は別々のセンサで取得していたが、これを1つのセンサで取得することを可能年、両方の画像をあわせて地上分解能0.8mのパンシャープン画像の生成を可能としたという。

このほか、観測波長帯も従来のは青、緑、赤、近赤外の4つから、新たにコースタルとレッドエッジの2つを追加。特にコースタルの波長帯は水中で減衰しにくいため、沿岸域の観測に有効だとするほか、レッドエッジから近赤外の波長帯は、健康な植物からの反射が強く、植物の分布やその健康状態などの把握に有効だとJAXAでは説明している。

なお、打ち上げ予定地はJAXA種子島宇宙センター 大型ロケット発射場となっている。