インターネットイニシアティブ(IIJ)は11月17日、2011年4月より島根県松江市で運用している自社データセンター「松江データセンターパーク(松江DCP)」内に、システムモジュール棟を新設すると発表した。2024年2月に着工し、2025年5月から運用を開始する予定。

松江DCPは、同社が開発したコンテナ型ITモジュール「IZmo(イズモ)」による、低コストで高いサーバ収容効率、スケールアウトを実現したデータセンターだ。同社は2019年5月に、松江DCPで培ったエネルギー効率化技術や運用経験を生かし、運用コスト削減と運用効率の最大化を実現したシステムモジュール型工法の「白井データセンターキャンパス(白井DCC)」を、千葉県白井市に建設し運用している。

  • 松江データセンターパーク 提供:IIJ

    松江データセンターパーク 提供:IIJ

  • 白井データセンターキャンパス 提供:IIJ

    白井データセンターキャンパス 提供:IIJ

松江DCPに新たに建設するシステムモジュール棟は、建築面積約2000平方メートル、300ラック規模のキャパシティを持つ。空調設備として、消費電力を少なくする「外気冷却空調方式」並びに効率的に空調搬送できる「壁吹き出し空調」を採用。加えて、電気設備にも力を入れており業界最高水準のPUE(データセンターの電力使用効率を示す指標)「1.2」を維持している。

白井DCCではロボット技術を応用し、データセンターの運用自動化を推進。その先行実績を生かして松江DCPでもロボット技術によるデータセンターの設備巡回の導入と実証を進める。

また、松江DCPでは、2022年2月から実質再生可能エネルギー由来の電力を導入し、カーボンニュートラルのモデルケースとなるデータセンターを目指す。今後は、オンサイトメガソーラー発電設備の併設やオフサイト発電設備からの電力調達など、カーボンニュートラルデータセンターの実現に向けた取り組みを強化していく考えだ。