サグリは10月27日、衛星データをAIが診断することで農地パトロール調査(利用状況調査)を効率化するアプリ「ACTABA(アクタバ)」を、関東としては初となる千葉市農業委員会が導入することを発表した。

日本の農業は現在、農業従事者の高齢化などを要因として、長期間耕作されていない遊休農地が増加している。そして、その現状を把握するため、毎年調査が実施されているが、それがまた多大な労力が必要とされており、課題となっていた。これまでは一般的に自治体の職員などが赴いて現場確認が行われ、その後、確認された情報の入力や調査資料・地図の作成という手順を経ており、また、基本的には紙媒体を用いた管理となっている状況にある。

そうした中、2022年度からドローンや衛星データを活用することが可能となり、農地パトロールの効率化を実現できるようになり、全国の自治体から注目を集めるようになってきたという。ACTABAもそうしたサービスの1つで、広島県尾道市が2022年5月に正式導入を行うことを発表した後、実証実験を含めると、すでに全国の70の自治体との連携が進められているという。

千葉市の農業委員会も労力の問題などは全国と同様の状況にあり、調査および情報の入力や試料の作成などにおいて、多大な労力が必要とされている。そこで、そのような状況を改善するため、今回、千葉市農業委員会における遊休農地の状況把握の効率化やDX化に向けて、ACTABAの導入が決定された。

ACTABAの特徴は、衛星データをもとにAIにより耕作放棄地を判定し、アプリの地図上で確認することを可能とするもので、この仕組みにより、調査工数の9割を削減できるという。また現地パトロールが必要な場合、担当者は割れ当てられた調査をタブレット1つで行え、調査結果やドローンなども利用して撮影した写真などの登録もでき、また地図の作成も不要だ。そして各担当者から登録された調査結果のデータは、事務局側でまとめて管理が可能。調査済みの農地を地図上で把握できるほか、データをまとめて出力し、台帳システムへの登録も30分ほどで完了できるという。

同社は、今後もACTABAによって農地パトロールの作業効率化を追求し、労力削減に貢献することで、全国の農地パトロールに多大な労力を強いられている自治体に欠かせないサービスとして普及させていくとしている。

  • ACTABAの画面イメージ

    ACTABAの画面イメージ (出所:サグリWebサイト)