リコーとホロラボは10月25日、建設業界のデジタルデータ活用による生産性向上を目的として、リコーが提供する「リコーバーチャルワークプレイス(以下、VWP)」と、ホロラボが提供する製造業・建設業向け3Dデータ変換ソリューションである「mixpace」を、同日から連携することを発表した。

リコーのVWPは、任意の空間をVR(Virtual Reality:仮想現実)上で再現し、VRヘッドセットを使ってこの空間内で一堂に会することが可能なサービス。一方ホロラボのmixpaceは、3D CADやBIM(Building Information Modeling) / CIM(Construction Information Modeling/Management)ファイルをAR(Augmented Reality:拡張現実)用に変換して表示可能なソリューション。

今回、VWPとmixpaceが連携することで、利用者が持つ3D CADやBIM/CIMファイルからmixpaceで変換したデータをVWP上のVR空間で活用できるようになり、建設業でのデータ活用の選択肢が広がる。協議での認識合わせや、デザインレビュー、設計・施工検討での効率化が見込めるとのことだ。

  • VWPとmixpaceの連携の概要

    VWPとmixpaceの連携の概要

これまでは、VWPでBIM/CIMファイルを再現するためにはVWP向けのデータの変換および共有が別途必要だったという。今回の連携によって、mixpaceのクラウドを通してデータの変換と共有が行えるようになり、データの利便性が高まる。

また、mixpaceクラウド上にあるBIM/CIMファイルを、VRとARの両方に活用できるようになり、VRが得意とする空間全体の展望や建物の中に入ってのスケール感の把握に加えて、ARが得意とする建築物の完成イメージの共有や施工確認を、共通のデータを使って行えるようになる。

両社は今回のサービス連携について、これまでクラウドデータをPC画面上などでしか見ていなかった利用者が、VR空間上でデータを再現して遠隔地にいるメンバーと共有しながら確認したり、iPadやHoloLens 2を使ってAR上に再現したりできるようになるとしている。

  • VRの利用例

    VRの利用例

  • ARの利用例

    ARの利用例