NECファシリティーズと近畿分析センターは9月9日、食品業界向けに「ナノスケールで液体を分析・解析できる新商品開発支援サービス」(新商品開発支援サービス)と「エンジニアリング支援サービス」を提供すると発表した。2つのサービスでは、両社が半導体工場の建設や運営、製品分析で培った技術を活用している。

新商品開発支援サービスでは、風味(食感、香気、味覚)成分の分析・解析を通じた付加価値の見える化から新商品開発に伴う評価テスト・受託実験までを支援する。

同サービスでは、半導体の微量分析で培った特殊技術の応用により、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)による液体の観察が可能で、ナノスケールで粒子サイズの測定や粒子の分散状態も確認できる。また、食品のうま味の経時変化や温度変化、脱臭効果などの確認実験にも対応する。

  • 透過型電子顕微鏡を用いた液体観察の例

    透過型電子顕微鏡を用いた液体観察の例

エンジニアリング支援サービスでは、新商品開発に必要な設備や工場の課題抽出から対策工事、保全業務までのエンジニアリング業務を支援する。

例えば、空調バランスが不安定になった場合の課題抽出については、工場全体の気流シミュレーションにより空気の流れや空気溜まりを調査する。また、サーモグラフィーを利用し、結露発生部の温度分布を解析するなどで工場全体の環境を調査・診断し、改修計画や改修コストまでを総合的に提案するという。