科学技術振興機構(JST)は8月23日に、JST理事長記者説明会を開催し、橋本和仁理事長が、国際的に活躍する研究者の育成のため、「新たな国際頭脳循環モード促進プログラム」として、従来から行われている「戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)」制度を利用し、日本にとって戦略的に重要な研究開発分野の若手研究者を米国や英国、ドイツ、イタリアなどの11国への渡航期間3カ月を含む1年間の研究支援を実施することを発表した。

  • JSTの橋本和仁理事長

    JSTの橋本和仁理事長

SICORPは2009年から行われているプログラムで、新たな国際頭脳循環モード促進プログラムはこのSICORPの仕組みを用い、実施される計画だ。

  • 国際頭脳循環モード促進プログラムの基になるSICORP制度の概念図

    国際頭脳循環モード促進プログラムの基になるSICORP制度の全体図

1年間の共同研究を基に、相手国との本格的な国際共同研究を始める、あるいはその先進国での長期間の長期留学を始める契機をつくることを目指すという。同プログラムの支援金は200万円から400万円の予定としている。

対象となる研究分野はデジタルサイエンス、AI(人工知能)、量子分野に関する先端研究分野を想定している。また、協力国は米国、ドイツ、イタリア、オーストラリア、フランス、カナダ、スペイン、オランダ、スイス、スウェーデンを挙げている。

今回の新しい国際頭脳循環モード促進プログラムの公募の締め切りは、2022年10月11日(火曜日)12:00の予定となっている。

さらに、新しい国際共同研究強化策として、橋本理事長は「新しい戦略的な支援策を、今年9月下旬に公表する予定。この国際共同研究強化策は5年間程度で、支援規模は2000万円から5000万円になる見通し」とした。