電気運搬船舶「Power ARK」の開発などを進めるパワーエックス(PowerX)は8月3日、2022年5月に発表したシリーズAラウンド前半の続きとして、シリーズAラウンド後半で9.2億円の資金調達に関する契約を締結し、調達総額約50.7億円でシリーズAラウンドが完了したこと発表した。

また、8月3日より、電動自動車(EV)向けのバッテリー型超急速充電器「Hypercharger」と定置用蓄電池「Mega Power」の先行受注を開始したことも併せて発表した。

シリーズAラウンド後半では、伊藤忠商事、Frontive Holding、森トラスト、電源開発株式会社(J-POWER)、合同会社K4 Ventures(関西電力グループ)、その他事業会社が参加したとしている。

同社は、日本国内で大規模な蓄電池製造工場を建設し、高性能で価格競争力のある国産蓄電池の大量製造に取り組むことで、日本市場平均価格の3分の1までコストを大幅に引き下げ、国内唯一、ストレージパリティ(蓄電池を導入しないよりも、蓄電池を導入したほうが経済的メリットが得られる状態)を達成する蓄電池製品の提供を目指している。

8月3日より先行予約販売を開始した2製品は国内で開発を行い、すべてのデータは国内で厳重に管理されセキュリティ面も安心だという。

EV向けのバッテリー型超急速充電器、Hyperchargerは、蓄電池容量が320kWhで、150kW~240kWの高出力で超急速充電が可能。低圧(200V三相交流)の系統接続により、低コストで簡易な導入ができ、蓄電池としてのマルチユースも可能だとしている。

  • PowerX Hypercharger

    バッテリー型EV超急速充電器「Hypercharger」(出典:PowerX)

定置用蓄電池、PowerX Hyperchargerは、蓄電池容量が最大3000kWhで、EV 急速充電器と共通のセル、モジュールを用いることで、高い生産効率を実現し、ストレージパリティを達成する低コストを実現するとともに、安全、長寿命なリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)を採用し、独自モジュール設計により容量が拡張でき、バッテリーラックとしても提供可能だとしている。

  • PowerX Mega Power

    定置用蓄電池「Mega Power」(出典:PowerX)

同2製品はWebサイトより先行受注を受け付けている。なお、製造は岡山県玉野市の工場「Power Base」で生産予定で、出荷は2024年ごろとなる見込みだ。

先行受注受付サイト

バッテリー型EV超急速充電器「Hypercharger」
定置用蓄電池「Mega Power」