貴重な化石を発掘・研究する挑戦者「化石ハンター」。そうした1人、アメリカ自然史博物館のロイ・チャップマン・アンドリュース(1884-1960)が大規模な調査隊の率いてゴビ砂漠を初めて探検した1922年からちょうど100年となることを記念した特別展「化石ハンター展 ~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」が東京・上野の国立科学博物館(科博)にて2022年7月16日~10月10日までの期間にて開催される。
同展は大きく「伝説の化石ハンターの誕生」、「アンドリュース、ゴビ砂漠への探検!」、「アンドリュースに続け、世界の恐竜ハンター」、「アンドリュースが追い求めた哺乳類の起源」、「挑戦の地、チベット高原へ」、「第三極圏の超大型獣に迫る」の6章で構成されている(第2会場に第7章も用意されている)。第1章は、アンドリュースがゴビ砂漠に探検へと赴くまでの時期。実はアンドリュース、1910年に来日し、当時の研究対象であった鯨類の調査を日本各地で実施。国立科学博物館との意外な縁があることなどが紹介されている。
第2章は、1922年から1930年にかけて全5回実施された「中央アジア探検隊」によるゴビ砂漠探検での成果が紹介されている。この調査により、ゴビ砂漠から多くの恐竜や哺乳類などの化石が発掘され、後世の研究に大きな影響を与えた発見であったことなどを知ることができる。
第3章は、アンドリュースの発掘調査の後の時代。第二次世界大戦後、ゴビ砂漠で発掘を行った日本を含めた各国の化石ハンターたちの研究成果などを紹介。映像として、第2章から第4章までの監修を務めた科博の冨田幸光 名誉研究員と、ダイナソー小林で恐竜好きにはおなじみの北海道大学の小林快次 教授の日本の化石ハンター同士の夢の対談など、ここでしか見れないコンテンツは必見である。
第4章は、アンドリュースがゴビ砂漠を探検した本来の目的である、人類の起源につながる哺乳類化石の発見に向けた発掘作業で発見した史上最大の陸生哺乳類である「パラケラテリウム」の化石などを見ることができる。