東京都健康長寿医療センター研究所は7月14日、骨格筋でのビタミンC不足は、性別に関係なく筋萎縮や身体能力の低下をもたらすことを明らかにしたと発表した。

同成果は、都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム 分子老化制御の石神昭人研究部長、同・滝野有花研究員、同・滝沢晶子連携大学院生、韓国・釜山大学のJaewon Lee教授、順天堂大学の町田修一教授らの国際共同研究チームによるもの。詳細は、生物学全般を扱うオープンアクセスジャーナル「Biology」に掲載された。

男女問わず、標準的なヒトの骨格筋量は、体重のおよそ30~40%を占めるとされる。ビタミンCはヒトが健康を維持するために必要な化合物で、骨格筋の維持にも重要なことがわかっている。

研究チームはこれまでの研究にて、ヒトと同様の状態になるように、体内でビタミンCを作れない雌のビタミンC合成不全マウスを用いて、血漿や骨格筋のビタミンCが減少すると、筋肉にどのような影響があるのかを調べたところ、ビタミンCの不足期間が長くなるにつれて、筋肉を構成する筋線維が細くなり、筋重量が減少することを確認したほか、ビタミンCを与えることで、筋重量が回復することも確認していたという。