大阪公立大学は6月27日、鹿児島県垂水市の40歳以上の男女1498名を対象に、自記式食事歴調査票を用いてライフスタイルおよび食生活の調査を実施し、血圧低下作用を持つとされている食酢を用いた料理(酢の物)の摂取頻度と血圧の関係を明らかにし、酢の物を食べる習慣のない人は血圧が有意に高くなることが示されたと発表した。

同成果は、大阪公立大大学院 生活科学研究科の叶内宏明教授らの研究チームによるもの。詳細は、科学全般を扱うオープンアクセスジャーナル「Heliyon」に掲載された。

日本国内において、高血圧と診断されている患者数はおよそ4300万人と推定されており、日本人のおよそ3人に1人が高血圧という状況を迎えている。高血圧は脳卒中、心臓病、腎臓病など、さまざまな疾患の原因となるため、血圧の管理は疾病予防のためにはとても重要とされており、その改善には食事における塩分の摂取量を減らすこと、いわゆる減塩が重要であるとされてきたが、血圧改善効果を持つさまざまな食品成分があることもわかっている。

食酢の主成分である酢酸もその1つであり、酢酸の経口摂取(食酢30mL/日を8週間)が血圧低下作用を示すことが報告されている。一方で、食酢を使った料理の摂取頻度と血圧の関係は不明だったという。そこで、高齢者の疾患危険因子や予防因子を明らかにし、健康長寿をまっとうする方策を模索・実現することを目的とした垂水研究の一環として今回の調査を実施することにしたという。