大阪大学(阪大)は6月20日、新たな銀膜接合技術の開発により2.5Dと3D用のマイクロバンプ接合において、低温(180~250℃)、低加圧(0~0.4MPa)、短時間(10分)、直径20μm、ピッチ150μmの銅(Cu)-銀(Ag)マイクロバンプ接合技術を実現したと発表した。

同成果は、阪大 産業科学研究所 フレキシブル3D実装協働研究所とダイセルの共同研究チームによるもの。詳細は、IEEEが5月末に開催した電子部品の国際会議「2022 IEEE 72nd Electronic Components and Technology Conference (ECTC)」にて発表された。

IoT時代の本格到来に向け、半導体にはさらなる低消費電力かつ高性能化が求められている。それを実現する技術の1つとして期待される先端パッケージ高密度実装では、現状の20~30μmサイズの接合技術を10μmを切るレベルへと微細化する技術や、エネルギー密度の急増に対する放熱材料の開発、熱応力の緩和などが必要とされている。

現在、最先端となる20μmのダイ接続ではCuピラーにはんだめっきが使われているが、生産性に劣るためコストが高いとされており、さらなる微細化レベルの実現には、はんだの限界を打ち破る特性が期待できるCu直接接合が必要とされている。Cu直接接合は、世界中で研究開発が進められているものの、Cuの酸化し易さと接合面平滑化の困難さから現実的なプロセスは得られていないという。

一方、近年、チップの高機能化に伴い、I/O端子密度が急速に高まっており、求められるバンプピッチも小さくなり続けている。マイクロバンプは、こうしたニーズに対応するために開発されたバンピング技術であり、現在のマイクロバンプは40μm以下で、高密度パッケージを実現可能ながら、高温、高加圧、窒素雰囲気などの厳しい接合条件が必要だったという。