伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は6月16日、複雑な自然条件を疑似的に再現する独自の計算モデルを開発して、風力による発電量が最大になる風車の配置を、量子コンピューティングを活用して割り出す実証実験を行ったと発表した。

同社は、NECの量子インスパイア型のシミュレーテッドアニーリングの量子コンピューティングサービス「NEC Vector Annealingサービス」を活用し、12km四方のエリア内にある約1万カ所のポイントから、20基の風車を建設する際の最適な風車配置のシミュレーションを実施した。

設置ポイントや風車の台数の増加に伴い計算量が指数関数的に増加するもので、地形を含めた自然条件や風車間の影響も考慮に入れるとシミュレーションにおける計算量は膨大なものになる。

しかし今回、量子コンピューティング向けに独自の計算モデルを開発し、従来のシミュレーションでは10時間かかっていた計算を10分で算出できたという。

計算結果も、実績のある従来の結果と同等の結果が得られたことで、風車配置の最適化における量子コンピューティングの実用性が確認できたとしている。