NTT東日本と全日本ピアノ指導者協会は、6月8日、ピアノ指導をきっかけとした音楽教育分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)活用を進めるため、協力することについて合意したことを発表した。

国内の音楽教育業界において、年々学習希望者が増加する一方で、指導者の減少や、地域での指導レベル格差、また対面からリモートへの指導環境の変化など、さまざまな課題への対応に迫られていることを背景に、NTT東日本のデータ解析技術やDXに関わるノウハウと、全日本ピアノ指導者協会の音楽教材の開発やピアノ指導者支援に関するノウハウをかけあわせ、音楽教育業界が直面している課題解決に取り組んでくことで合意したという。

今回の協業には3つのステップがあり、ステップ1では、ピアノ指導者と生徒に向けてDXを活用したピアノ学習の基礎環境を構築するという。 AI演奏採点システムなどの検証を通し、指導の容易化や生徒が自己学習できる仕組みを提供することで、指導効果の向上を図りたい考え。

ステップ2では、ステップ1で検証した内容を、国内外問わずピアノ業界全体へ展開するという。 生涯学習や教育分野へのピアノの活用、ピアノ演奏者の活動支援を促進することで、音楽教育業界全体の活性化を目指すという。

ステップ3では、ここまでの取り組みをピアノだけでなく他楽器へもサービス展開し、音楽教育業界全体の活性化に取り組んでいくという。

  • 協業のイメージ

各社の役割としては、NTT東日本が、音声解析、AI解析、データ解析技術などの技術を支援し、また施策検討のためのプラットフォームの提供を行うという。

全日本ピアノ指導者協会は、取り組みの音楽教育業界への普及・広報・啓蒙をはじめ、イベントなどの検証機会の提供や教育指導ノウハウ・音楽的知見の技術支援、学習・指導データなどの分析データの提供などを行うという。

両者は、今回の音楽×DXの取り組みを通して、人と音楽が繋がる豊かな社会を実現することで、文化振興・地域活性化への貢献を目指していきたいという。