虹色でドーナッツ形のSDGsバッジがサラリーマンの特攻服であるスーツの胸元で色彩を放つ姿をしばしば目にする今日このごろ。初めてみたときは、一体どんなハイカラな会社に勤めているのだろうかと首を捻っていた筆者であるが、どうやら社章ではなかったらしい。

さて、皆さんはSDGsをご存知だろうか。言葉は聞いたことがあり、口に出した経験があるという人は枚挙にいとまがないと思うが、「SDGsって何?」と質問された際には足元が震え、お家に帰りたくなったという人も同じくらいいるのではないだろうか。

かくいう筆者はお家ではなく、実家にまで帰りたくなった臆病者である。

ということで以前の臆病な筆者も含め、ここではSDGsをあまり知らない人に向けにザックリ説明した後、SDGsと森林の関係性について解説しようと思う。

SDGsとは

まず、SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」である。 つまり、目標なのだ。目標=なりたい姿と思ってもらえると分かりやすい。そして、その目標(なりたい姿)が17個あり、各々に具体的な達成基準と指標が設けられている。

しかし、この目標に向けた具体的なターゲットは169個、指標が232個と非常に多く、私達が説明できず、てんてこ舞いになってしまうのも無理はない。

  • 17の国際目標

    17の国際目標(出典:外務省)

また近年、SDGsが表立っているが、実はSDGsの前にMDGsがあった。2001年から2015年までの開発分野における国際目標として2000年に採択された国連ミレニアム宣言をもとにまとめられた「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)」である。

SDGsはMDGsの反省を踏まえて、その目標の一部を引き継いだものだ。SDGsとMDGsは目標の数などが異なるが、両者の大きな相違点として挙げられるのは、MDGsは発展途上国の開発問題が中心で、先進国は援助するという位置づけであったのに対し、SDGsは発展途上国だけでなく、先進国も共通の課題として設定している点である。

そのため、SDGsは全世界・全人類共通の普遍的な目標であり、現在は持続可能な社会づくりのための共通言語として認識されているのだ。