国立情報学研究所(NII)のオープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)は、同センターが提供してきた論文検索サービス「CiNii Articles」を、学術情報検索基盤「CiNii Research」に統合したことを発表した。

CiNii Articlesは、10年以上前から論文検索サイトとして多くの利用者を有していたが、近年は論文だけでなく、引用情報やさまざまな学術成果データそのものの公開など、学術成果情報の多様化が進んでおり、それらの情報を一括して閲覧する基盤の必要性が高まっていたという。

そこで、NIIでは、2021年4月から新しい学術情報検索基盤としてCiNii Researchを公開。CiNii Researchは、CiNii Articlesと同等の論文情報に加え図書やプロジェクト、研究データを対象としている。

CiNii Articlesとは機能の重複があることから今回、CiNii Researchとしてサービスを統合したという。統合によって、関連した学術情報のリンクが付与された3000万件の論文情報を閲覧できるようになったほか、関連した論文や、参考文献リンク、関連データ、関連プロジェクトなどの学術情報を連鎖的に検索できるとしている。

  • CiNii Researchへのサービス統合により、既存の論文検索に加えて多様な学術情報の一括検索を実現したほか、論文に関係する学術情報を取得できるようになったという

    CiNii Researchへのサービス統合により、既存の論文検索に加えて多様な学術情報の一括検索を実現したほか、論文に関係する学術情報を取得できるようになったという(出典:NII)

なお、CiNii Articlesの従来のURLやIDは新たなCiNii Researchにリダイレクトなどで引き継がれ、CiNii Articlesで提供していた機能はCiNii Researchで従来通り利用できるという。