デル・テクノロジーズは4月27日、同社のサーバPowerEdgeシリーズが、IDCの調査で、2021年度 国内のサーバ出荷台数および出荷金額で1位になったことを明らかにした。出荷台数および出荷金額で1位になったのは、同社では初だという。

執行役員 副社長 データソリューンズ事業統括 松本光吉氏は、シェア1位を獲得できた要因は、cNPS(Customer Net Promoter Score:企業やブランドに対する顧客の信頼度、愛着度)とeNPS(Employee Net Promoter Score:職場に対する従業員の信頼度、愛着度)だとした。

デル・テクノロジーズ 執行役員 副社長 データソリューンズ事業統括 松本光吉氏

「5年前と比べマーケットシェアは2倍以上で、出荷台数よりも金額の伸びが大きく、ハイエンドのサーバの採用が増え、大変責任を感じている。コロナ禍の2年間、お客様との関係をどう構築するかを考えてきた。お客様のデル・テクノロジーズの体験向上のため、オンラインでのサポート体制(在宅でのヘルプデスク)をいち早く構築して、お客様との関係を維持できた。また、バーチャルでのイベント、セミナーの拡充(デモ、PoC検証)も早い段階で進められた。さらに、お客様のデータをきちんと維持・管理して、導入・稼働状態や保守サポート切れへの対応も早期にオンラインで構築できたことが、デルが身近な会社でいられた要因ではないか」(松本光吉氏)

  • 国内サーバシェア1位 成功の鍵と課題

PoC環境では、東京・品川の日本マイクロソフト本社内に、ハイブリッドクラウド向けにAzure Stack HCI/ALL NVMe Modelの検証環境「Microsoft Technology Center DEJIMA」をオープンさせたほか、デル・テクノロジーズの東京・大手町本社内にAI体験・検証向けの施設「AI Experience Zone」を開設したという。

  • Microsoft Technology Center DEJIMA

  • AI Experience Zone

社員については、いい環境でモチベーション高く仕事ができるかもポイントで、リモートワーク時のネットワーク環境を強化するなどの対応を進め、中途の社員がリモートでも初日から使えるサービスレベルの提供も行ったという。

一方、新規の顧客とのコンタクト機会の創出、非接触のためドライな入札での購買決定も課題だという。

デル・テクノロジーズ執行役員 データソリューンズ事業統括 製品本部長 上原宏氏

執行役員 データソリューンズ事業統括 製品本部長 上原宏氏は、「これまでさまざまな取り組みを行ってきたことが功を奏した、4年前のシェアは4位で、認知度を上げることが課題であった。そのため、プロモーションビデオの配信、キャンペーン、積極的な広報活動などを行うことで、製品の良さや優位性をだんだん評価いただけるようになった。2017年のインテルの新CPU発表に合わせた新製品の発表を皮切りに、新しいテクノロジーを市場に投入してきた。2018年には新しいモジュラー型サーバのMXを発表し、その後も、インテル、AMDの新プロセッサの登場に合わせていち早くサーバのラインアップに加えることで、ポートフォリオを強化してきた。2020年には、平均25%の値下げを実施することにより製品の価格性能比を極めたこと、ポートフォリオを充実させたことで、右肩上がりでマーケットシェアを伸ばすことができた」とシェア1位の背景を説明した。

  • シェア1位までの軌跡

上原氏は、PowerEdgeビジネスの注力領域として、ハイブリッドクラウド、エッジ、5G、AI/ML、セキュリティ、As-a-Service、地球環境にやさしい点などをあげ、地球環境に関しては「最近は、環境に配慮した製品を導入したいという企業も出てきている。デルは10年前からすべての製品のエネルギー効率を高め、リサイクル可能なパーツをできるだけ用いるなど、地球環境を製品開発の重要項目として位置付けてきた。持続可能性への取り組みは、個別に説明する機会も柔軟に考えていきたい」と述べた。

  • 地球環境への取り組み