電通は、4月19日、2021年12月17日~19日に、全国各企業20~59歳の部長以下の従業員男女計1,000名を対象に実施した「企業の変革に関する従業員意識調査」の調査結果を発表した。

この調査は、DXの浸透や新型コロナウイルス感染症拡大により企業を取りまく環境が大きく変化し、多くの企業が事業あるいは企業そのものの在り方の変革を迫られている状況下で、従業員自身が自社の変革に対してどのように感じているのかを明らかにすることを目的として行われた。

調査結果としては、「調査変革に対して自社からの情報発信がなされている」と回答した従業員は、90%近くにのぼり、多くの企業で変革を推し進めようとしている実態が明らかになった。また、75.3%の従業員が自社の変革の必要性を感じており、43.9%が自社の変革に期待が持てると回答していることからも企業の変革の推進が窺える結果になっているという。

  • 自社の目指す変化についての情報発信や具体的な取り組みの有無 出典:電通

自社の変革に対してのアンケートでは、「自身が何らかの行動を起こしている」と回答した従業員は32.3%にとどまる一方で、「行動していない/うまくいかない/ついていけない」と回答した層は38.3%と行動を起こしている社員の割合を上回る結果になっている。 その理由としては、「ビジョンの提示不足・不透明さ」(27.9%)「社内における浸透不足」(26.2%)が課題とされ、また、自社の変化に対する不安に関しては約90%の従業員が何らかの不安を感じていることが分かったという。

調査結果からは、従業員の多くが自社の変革の必要性は感じているものの、変革に対する不安は大きく、経営層は自社の変革に対する従業員の期待を十分に生み出せていないという実態が浮き彫りになった。 また、企業の変革を促進するためには、従業員が納得するビジョンを策定し、変革に対するエンゲージメントを高めていくことが必要であることも明らかになっているという。

  • 自社の変化に対しての不安 出典:電通