ピー・シー・エー(PCA)は4月19日、中小企業を対象に実施したインボイス制度対応に関する実態調査の結果をまとめ発表した。同調査は「インボイス制度」について知っている、従業員数50名~500名の企業の経理、営業事務担当者301名を対象に実施した。

2023年10月1日の開始まで残り約1年半となったインボイス制度。同制度は正式には「適格請求書等保存方式」というもので、消費税の複数税率に対応した、新しい仕入税額控除の方式のことを指す。税率ごとの消費税額を記載する必要があり、明記されたものでなければ、買手側は仕入税額控除ができなくなる。

同調査によると、インボイス制度に関してまだ導入に向けた対応ができていない企業は51.5%だった。「インボイス制度の導入に向けた対応ができているか」と質問したところ、16.9%が「全くできていない」、34.6%が「あまりできていない」と回答した。

  • インボイス制度、まだ導入に向けた対応ができていない企業は51.5% 出典:PCA

インボイス制度への対応が未実施の理由としては「インボイス制度に対する社内の理解が低い」が52.3%で最多。そして「既存のシステムでは対応が難しい」(36.8%)、「どんな対応が必要なのかわからない」(25.8%)と続いた。

  • インボイス制度への対応を未実施の理由、「インボイス制度に対する社内の理解が低い」が52.3%で最多 出典:PCA

一方で、既存のシステムではインボイス制度への対応が難しい企業の68.4%が、今後対応可能なシステムへのリプレイスを検討していることが分かった。

  • 既存のシステムではインボイス制度への対応が難しい企業の68.4%が、今後対応可能なシステムへのリプレイスを検討 出典:PCA

同調査では、インボイス制度への対応が出来ている企業に対して「対応ができている要因」を聞いた。すると45.5%が「社内で積極的な推進が行われた」と答え、「有識者からアドバイスを受けた」(31.7%)、「インボイス制度に対応可能なシステムにリプレイスした」(25.7%)と続いた。

  • インボイス制度への対応が出来ている要因、「社内で積極的な推進が行われた」が45.5% 出典:PCA

インボイス制度の開始にあたって、「電子インボイスの策定」が進められている。電子インボイスとは適格請求書の記載内容を電磁的記録で提供するもの。同調査によると、 8割の企業が、電子インボイスを認知している一方で、内容含め知っている企業は24.6%にとどまった。しかし、電子インボイスの内容を含め知っている企業の86.5%が、「利用予定あり」と回答した。

  • 「電子インボイス」の内容含め知っている企業は24.6% 出典:PCA

2023年10月1日の開始まで残り約1年半となったインボイス制度に対して、理解が広がっていないことや、システムが対応していないことが原因で、半数以上の企業でまだ導入に向けた対応ができていない実態が明らかとなった。

一方で、今後インボイス制度に対応可能なシステムへのリプレイスを検討している企業や、電子インボイス制度の活用を予定している企業が多くいることからも、情報を持っている企業は続々と対応に向けて動き出している現状がうかがえた。

インボイス制度に対して、理解が広がっていない場合、システムが対応していない場合は、社内全体での情報収集を早めに行うだけでなく、社内チームでの連携を取りシステム等の準備を進めていく必要があるだろう。