オムロンは4月6日~8日まで開催されていた「Japan IT Week 春」内の「第11回 IoT&5Gソリューション展」にてさまざまな無線通信規格に対応し、センサやデバイスからクラウドへのデータ送受信を可能にする「IoTゲートウェイ」の紹介を行った。

  • オムロンブース

    第11回 IoT&5Gソリューション展でのオムロンブース

同IoTゲートウェイはオムロンで電子部品事業を担うデバイス&モジュールソリューションズカンパニーが展開している製品だ。同事業部門は2022年4月1日に旧名称のエレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニーから名称を変更した。

“デバイスの提供だけでなく、社会課題を解決するソリューションを提供していきたい”という想いから名称変更を行ったのだという。

電子部品事業は、2021年の売上高の見通しが1,030億円となっており、同社全体の売り上げの約10%を占めている。同社が2022年3月に発表した中期経営計画では、2024年までに電子部品事業で1,100億円の売上高を目指すとしている。

今回、展示したIoTゲートウェイは、自動化を進めていくうえで重要な、各種センサやデバイスで取得したデータをクラウドに送信する部分をソリューションとして提供するものだ。

2016年ごろにクライアントから「センサなどからのデータをクラウドにアップする部分のソリューションがほしい」という要望がきっかけとなり、今回のソリューション開発に至ったという。

同ソリューションはデバイスやセンサと接続するインタフェースモジュール、無線通信モジュール、電源供給モジュールで構成されている。

インタフェースはGPIO、I2C、Analog、UARTなどに対応しており、無線通信はLoRa、LTE、Wi-Fi、BLEに対応、供給電源もDC3V、5V、12V、24V、32Vに対応しており、これらを組み合わせ、クライアントの環境や要望に対応したゲートウェイを構築する。

デバイス&モジュールソリューションズカンパニーの営業統括本部 新規事業推進部の岡孝則 部長は「デバイス、センサ、通信規格もさまざまな種類があり、クライアントが自力でゲートウェイを構築するのはハードルが高い。同ソリューションは、そういったIoTシステム構築のハードルを下げることでさまざまな企業がIoTやオートメーションに取り組めるように開発したものだ」という。

想定される導入先は、生産装置の異常状態検知といった工場や、駐車場車両検知で空きスペースを通知するといった交通分野、天候状況検知による太陽光発電予測といったエネルギー分野など多岐にわたる。

展示ブースでは、農業分野での環境センシングを想定したデモが紹介されており、オムロンの工場敷地内に設置された水位センサや気象センサのデータが会場にリアルタイムで送られてくる様子を見ることができた。

  • IoTゲートウェイ

    オムロンの工場敷地内に設置されたIoTゲートウェイ

  • 会場のディスプレイに気温や風速などの情報がリアルタイムで送られきている様子

    会場のディスプレイに気温や風速などの情報がリアルタイムで送られきている様子

同社は、ソフトライブラリをプラットフォーム化し、ユーザーが簡単にソフトコードを開発し、IoTを簡単に導入できるようにするソフトウェアを開発中で、IoTゲートウェイ、ソフトウェアともに2023年度中の製品を目指すとしている。