米Googleは4月7日(現地時間)、Google Playポリシーをアップデートし、Google PlayストアのターゲットAPIレベルに関する要件を拡大した。新しいAPIレベルに対応しないまま提供され続けている古いAndroidアプリの配信を制限する。2022年11月1日に発効する。
「Android 11」のAPIレベルは「APIレベル30」、「Android 12」は「APIレベル31」というように、AndroidはOSのメジャーバージョンとともにAPIレベルが更新されている。
Androidアプリに適切なAPIレベルを設定することで、Androidのプライバシー、セキュリティ、ユーザー体験の改善をAndroidデバイスユーザーが享受できる。逆にアプリのターゲットAPIレベルの設定が更新されない場合、ユーザーの安全な体験が損なわれる可能性がある。それを防ぐためにGoogleは現在、Google Playで配信するアプリのアップデートや新しいアプリに対して、Androidの最新メジャーバージョンリリースから1年以内のAPIレベルをターゲットにすることを要求している。要件を満たさないアプリはGoogle Playで配信できない。
しかし、ターゲットAPIレベルの要件が導入された後も、その前からアップデートされていないアプリは低いAPIレベルのままGoogle Playストアで配信され続けている。そうした古いアプリも対象になるように、新ポリシーでターゲットAPIレベルの要件を拡大した。2022年11月1日から、Androidの最新のメジャーバージョンから2年以内にリリースされたAPIレベルを対象にしていないアプリは、ターゲットAPIレベルより高いバージョンのAndroidで動作するデバイスにおいて、Google Playでの発見やインストールが制限される。
これはGoogle Playからの排除ではないので、古いバージョンのAndroidで動作するデバイスでは、引き続きGoogle Playにおいて古いアプリにアクセスできる。
Googleはプライバシーサンドボックスを導入するなどAndroidプラットフォームでもプライバシー優先を強化しており、ターゲットAPIレベルの更新はその浸透を促すカギになる。5年前には「Facebook」や「Snapchat」のような頻繁に機能アップデートが提供されている人気アプリですら、最新バージョンより数年古いターゲットAPIレベルが指定されていた。ターゲットAPIレベルに関する要件によって、そうしたAndroidの断片化の問題が解消に向かっている。