地域新電力会社であり能勢・豊能エリアでのエネルギーを軸とした地域課題解決に取り組んでいる「能勢・豊能まちづくり」と蓄電池製造・販売会社である「オムロン ソーシアルソリューションズ(OSS)」は、地域内での需給安定化に向けた、蓄電池最適制御システムの開発に向けて共同で実証実験に取り組むことに合意したことを3月31日に発表した。

2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの主力電源化が求められいるが、国内で導入割合の高い太陽光発電などの再生可能エネルギーは発電量が季節や天候に左右されやすいため、家庭用蓄電池をはじめとする分散型電源の制御による需給の調整が重要になるとされている。

また昨今、エネルギー価格の高騰が深刻化しており、電源保有割合の少ない小売電気事業者において、蓄電池などの分散電源を用いたエネルギーマネジメントのニーズがますます高まっているという。

このような背景から、両社は蓄電池を活用したエネルギーマネジメントの実証実験に共同で取り組みことに同意。同実証実験では、能勢町役場に設置した出力26.39kWの太陽光発電設備と、16.4kWhの蓄電池容量を活用する予定だ。

同設備は能勢・豊能まちづくりが2022年1月にPPAモデル(第三者所有モデル)として能勢町庁舎に導入した設備だという。

同実証実験では、災害時のための蓄電量を確保しつつ、太陽光発電によって発電した電力のうち庁舎内で消費しきれない電力を蓄え、夜間などにも活用できるように運用するなど柔軟な制御を行うためのシステムの有効性を検証することを目指すとしている。

  • 庁舎設備の蓄電システムと実証のイメージ図

    庁舎設備の蓄電システムと実証のイメージ図(出典:オムロン)