大日本印刷(DNP)は3月15日、京都市と連携して、伝統工芸や観光資源などの京都の魅力を体験し人と人が交流できるバーチャル空間「京都館PLUS X」を構築し、3月17日にオープンすることを発表した。
「京都館PLUS X」は、同社が2021年7月から運用中のバーチャル空間「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE」を活用して構築したもので、国内外のどこからでも京都の魅力を体験できる。
「京都館PLUS X」では、京都市で開催されるさまざまなイベントと連動して、メタバースならではの展示や体験を提供する予定だ。3月のオープン時点では、京都市が同月に開催している工芸イベント「CRAFT POINT KYOTO」と連動して動画を配信し、遠隔地からでも伝統工芸の職人の技術を体験できるようになる。また、ここで紹介する伝統工芸品はECサイトを通じて購入可能だという。
これらのサービスは、ユーザーのPC端末やスマートフォンから利用できるため、特別な装置の購入やアプリケーションのダウンロードが不要であり、世界中どこからでもアクセス可能だ。バーチャル空間ではユーザーが好きなアバターを選び、同時参加しているユーザー同士が音声で会話できるほか、写真を撮影してSNSで共有する機能も備える。
京都市では、東京駅前の再開発により2018年に閉館した情報発信拠点「京都館」の移転を計画していたが、都内の地価高騰やコロナ禍の影響を受け、常設の拠点に代わる新たな情報発信の場を検討していたとのことだ。そこでDNPと京都市は、バーチャル空間上に「京都館PLUS X」を構築し、実証実験として3年間運営することを決めたという。