米IBMは2月8日(現地時間)、同社のオールフラッシュ・ストレージ「IBM FlashSystem」を対象とした新しいデータ保護機能「IBM FlashSystem Cyber Vault」と同製品の新モデルを発表した。

「IBM FlashSystem Cyber Vault」は、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃の検知と、サイバー攻撃からのデータ復旧時間を短縮するための新機能となる。同機能では、同社が2021年7月に発表した機能「セーフガード・コピー」を活用する。

「セーフガード・コピー」では、ストレージ管理者が定義したスケジュールに従ってコピー・データとなる「スナップショット」を自動的に作成するが、「IBM FlashSystem Cyber Vault」では、「スナップショット」の検知と破損の有無で攻撃が発生している可能性があるかを判断。データの破損を攻撃と判断したら、攻撃の痕跡がない最後の「スナップショット」を基点にリカバリーを行う。

自動化機能によりリカバリーのプロセスを高速化することも可能で、同社によればIBM FlashSystemにおけるサイバー攻撃からのリカバリー所用時間を、数日から数時間に短縮することが可能だという。

ストレージ・システムの新モデルは「IBM FlashSystem 9500」と「IBM FlashSystem 7300」で、このほかストレージ仮想化のためのシステム「IBM SAN Volume Controller」が提供される。いずれも、2022年3月4日に全世界で発売される予定だ。

  • IBM FlashSystem 9500

「IBM FlashSystem 9500」は、前世代機「IBM FlashSystem 9200」の2倍の性能、接続性、ストレージ容量と、最大50%増のキャッシュ(3TB)を提供する。また、NVMe接続のドライブ数は前世代機の倍となる48台をサポートする。

「IBM FlashSystem 7300」は、NVMe接続のドライブ数は24台で、コントロールエンクロージャーごとに最大2.2PBの実効容量をサポートする。同社によれば、前世代機であるIBM FlashSystem 7200よりも約25%性能が向上しているという。

「IBM SAN Volume Controller」は、500種類以上のIBM製品だけでなく、および他社のストレージ・システムも仮想化し、併せて運用できる。