ガートナーは2月1日(米国時間)、2021年の主要電子機器メーカーによる半導体消費に関する調査結果(速報値)を発表した。

それによると、2021年は、半導体不足と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響により、主要電子機器メーカーの生産体制に混乱が生じたものの、主要電子機器メーカー上位10社の半導体購入額は前年比25.2%増となり、世界の半導体消費全体の42.1%を占めたという。

  • 2021年における世界の電子機器メーカー上位10社による半導体消費

    2021年における世界の電子機器メーカー上位10社による半導体消費(速報値、デザインTAMベース)

同社アナリストの山地正恒ディレクターは、半導体ベンダー各社はチップ出荷量を増やしたが、主要電子機器メーカー各社の需要は二重発注やパニック買いも含め、その出荷数量の増加を上回っており、半導体不足が自動車のみならず、スマートフォンやビデオゲーム機など、さまざまな電子機器の増産を阻む要因となったと分析している。また、半導体不足に伴って、マイコンや汎用ロジックIC、多種多様な特定用途向け半導体などの平均チップ単価は15%以上の上昇となり、手法電子機器メーカー各社の調達金額も上昇することとなったともしている。

トップは前年同様Appleで、2021年の半導体消費は、メモリが前年比36.8%増、メモリ以外も同20.2%増。自社設計のアプリケーション・プロセッサに移行したため、マイクロプロセッサ(MPU)の需要が減少したという。2位のSamsung Electronicsの2021年の半導体消費は、メモリが同34.1%増、メモリ以外は同23.9%増で、注力するスマートフォンやSSDなどの市場拡大が需要を牽引し、メモリ消費が拡大したとみられるという。トップ10社中、唯一マイナス成長となったのは2020年の3位から、2021年は7位に後退したHuaweiで、半導体の購入に苦戦した結果、BBK ElectronicsやXiaomiなどの中国系スマートフォン・メーカーにシェアを奪われた結果、半導体消費が落ち込んだとしている。