道路を走り回って、盗聴器が仕掛けられている家を探し出すテレビ番組が放映されているが、今や、隠しカメラなどの監視装置が仕掛けられる時代になってきた。

例えば、Airbnbの利用者を対象とした調査では、全回答者の11%が「借りた部屋に隠しカメラがあった」と答えたそうだ。ちなみに、この回答は「実際にカメラを見つけた」人のものだという。つまり、Airbnbで借りた部屋にはもっと多くの隠しカメラが仕掛けられていた可能性がある。

そこで、カスペルスキーの公式ブログをもとに、本稿では監視装置を探し出す方法を紹介しよう。

専門家に依頼する

一番信頼できる方法は、専門スキルとプロ用の機器を持つ専門家に捜索を依頼することだという。ただし、この方法には「料金がかかる」「待ち時間が発生するかもしれない」といったデメリットもある。

新居へ引っ越す場合など、一定期間滞在する場合は、この方法をとるのも一手だろう。

専用の機器を使う

前述した盗聴器を探し出すテレビ番組のように、電磁波測定器や光検出器など、隠しカメラを検出するための機器を使って、自分で調べることができる。安い機器なら、測定範囲が半径1メートル程度のもので3,000円台からあるそうだ。

単純な光検出器なら、赤色LEDが数個、赤色光フィルターが1個あれば、自分で作ることができるそうだ。光検出器で隠しカメラがありそうな場所にライトを向けてフィルター越しに見ると、その範囲内にカメラのレンズがあれば明るい点になって見える。そうした単純な機器の検知範囲は10メートル程度とのこと。

なお、ブログでは、自分でチェックする場合、流出すると困るような映像が撮影される可能性のある風呂場や寝室を特に念入りに調べるようアドバイスしている。そのほか、煙感知器や家電、飾ってある絵、時計、花瓶、玩具もチェックするよう呼び掛けている。ちなみに、LEDをはんだ付けする作業に抵抗がなく、自分しか信用しないのなら、この方法が適しているそうだ。

スマートフォンを使う

前述した方法のように専用の機器を使わなくても、スマートフォンのカメラと懐中電灯だけで十分な場合もあるそうだ。スマートフォンの普及率を考えると、この方法が最も現実的かもしれない。

スマートフォンを使って隠しカメラを探す方法はこうだ。部屋の明かりを消してカーテンを閉め、スマートフォンのライトとカメラ機能をいずれもオンにして、隠しカメラがありそうな場所に向ける。カメラがあった場合、スマートフォンの画面にキラキラした光が写るという。

ライトがなくてもチェックできる場合もある。多くの隠しカメラは、暗いところでの撮影するために赤外線照明を使用する。赤外線照明は人間の目には見えないが、スマートフォンのカメラには感知されるので、暗いところで撮影すると、赤外線光源が点滅する点となって画面に写るというわけだ。

ただし、スマートフォンのメインカメラには赤外線フィルターが搭載されている可能性が高いため、メインカメラではこの方法が使えない可能性もあるため、フロントカメラを使ったほうがよいそうだ。

アプリを使う

そして、世の中には隠されたデバイスを探すためのモバイルアプリも出回っている。この手のアプリは2種類ある。1つは、レンズのきらめきでデバイスを検出するタイプだ。Glint Finderというアプリは、懐中電灯の光がレンズにぶつかったときのきらめき(glint)を検知する。光を検知したら、その場所を探せばよい。

  • Glint Finderの画面

もう1つは、ワイヤレスの監視デバイスを探すタイプだ。この手のアプリは、ローカルのWi-Fiに接続する必要があり、アプリはルータをスキャンし、接続しているデバイスをリストアップするそうだ。そのリストに、自分のノートPCやスマートフォンではないデバイスがあったら、それは不審なデバイスといえる。ちなみに、無害なデバイスか、監視目的のデバイスかを、MACアドレスなどの識別情報から判別できる専用ツールもあるそうだ。

ブログでは、不審なデバイスを見つけたら、その写真を撮って画像検索にかけて調べるよう、アドバイスしている。