VIcorは、オランダのエッジインフラの開発企業HIROと協業して、ソリッドステートで放熱に優れ、コンパクトでエネルギー効率が高いエッジマイクロデータセンター(EMDC)の開発に成功したことを発表した。EMDCにはVicorの高電力密度・高効率のDC-DCコンバータ「DCM3717S60E14G5TN0」が採用されているという。
EMDCは、拡張性が高くコンパクトで過酷な屋外の環境でも稼働するエッジコンピューティングリソース。CPU、GPU、FPGA、NVMe(不揮発性メモリエクスプレス)メディアなどを、種類や数を問わず組み合わせることができ、1.5kWの靴箱サイズから500kWのコンテナ型エッジ設備まで提供可能。これらのプラットフォームは完全なソリッドステートでモジュール構成になっており、メンテナンスをほとんど必要とせず、冷却のためのエネルギーも必要ないとしている。
今回開発したEMDCは、コンパクトでエネルギー効率が高いという特徴があるが、それを実現するために、配電システムの配電電圧を従来の12VDCから48VDCへと変更し、電力供給ネットワーク(PDN)全体のI2R損失を低減。EMDCに組み込まれたVicorのDC-DCコンバータモジュール「DCM3717S60E14G5TN0」にて、EMDC内部の複数のコンピュータへ、12Vに変換して給電することで、EMCD全体のエネルギー効率を高めることが可能となったという。
なお、同社ではDCMシリーズは体積あたりで高い電力密度を実現しており、さまざまな冷却方法に柔軟に対応することができるため、各種再生可能エネルギーの用途にも適しているとしている。