ディー・エヌ・エー(DeNA)と横浜DeNAベイスターズは11月30日、ブロックチェーン技術によるNFTを活用して開発したデジタルムービーコレクションサービス「PLAYBACK 9 (プレイバック ナイン)」の提供を開始すると発表した。
NFTとは「Non Fungible Token(非代替性トークン)」の略でブロックチェーンに記録される一意で代替不可能なデータ単位のこと。NFTによって一意の画像/動画/音声などのデジタルコンテンツの保有を証明し、ウォレットで管理することが可能。
近年、世界中でこのNFT市場が盛り上がりを見せている。DappRadarの調査によると、2021年7~9月期のNFT取引高は約1兆1945億円と、前期(4~6月)比で704%増(前年同期比で3万8060%増)と急拡大している。
アメリカではプロバスケットリーグのNFTカード事業が大きな注目を集めている。「NBA Top Shot」というサービスで、NBAプレーヤーのシュートシーンを動画NFTとして販売。2次流通を含む総売上が、リリース1年弱で約760億円を突破し、DAUは15~25万人程度を推移しているという。
今回、両社が提供を開始する「PLAYBACK 9」は、NFTにより保有証明がなされたデジタルアイテムをクレジットカードで購入し、閲覧できるサービスだ。試合の名シーンを球団公式のデジタルアイテムとして販売し、従来のトレーディングカードの世界がデジタル上で体験できる。
DeNAスポーツ事業本部 [PLAYBACK 9] サービス責任者の下島海氏は、「各シーンに販売期間や発行上限数の制限を定めることで、希少性を担保する。発行上限数を上回る購入申込があった場合は、抽選により購入者を決定する」と説明した。
また、同サービスで販売されるデジタルアイテムは、一枚一枚にブロックチェーン技術を活用したNFTを利用し、それぞれ固有のシリアルナンバーが付与されている。今後は、球団公式のデジタルコレクションとして、ユーザー間でNFTのオンライン売買も可能になる予定としている。
なお、販売するデジタルコンテンツの価格は希少性の程度で異なり、120円、480円、980円、1,980円の4種類となっている。ユーザー間での売買に関しては価格の上限はなく、レア度が高いコンテンツは2次流通額が高騰するといったことも想定される。
「横浜DeNAベイスターズのファンだけでなく、NFTに関心のあるユーザーも副次的なターゲットとしている」(下島氏)