BlueMemeが11月19日に発表した調査結果によると、システム開発に従事する技術者の7割強が量子コンピュータが注目されていることを知っており、実用化時期の予想では3年~10年未満が最も多いことが分かった。
同調査は同社が10月25日から27日にかけて、国内のソフトウェア関連企業でシステム開発に従事する技術者を対象にインターネットにより実施したもので、有効回答者数は101人。
まず、従来のコンピュータの限界が見えてきていることを知っているかを尋ねたところ、「よく知っている」という回答が25.7%、「やや知っている」が28.7%と、過半数の回答者が知っていた。
現在、量子コンピュータが注目されていることを知っているかという質問には、「よく知っている」回答が34.7%、「やや知っている」という回答が38.6%寄せられ、回答者の73.3%が知っていることがわかった。
量子コンピュータへの注目を「よく知っている」または「やや知っている」という回答者に、注目の理由は何かと考えているかを聞いたところ、「従来のコンピュータより処理能力が速い」が75.7%と最も多く、以下「従来のコンピュータでは解けない問題を解ける可能性がある」(63.5%)、「従来のコンピュータより消費電力の削減になる」(39.2%)と続く。
全ての回答者に業務で量子コンピュータを利用したいか尋ねたところ、「非常に思う」が23.7%、「やや思う」が40.6%という回答結果が得られ、計64.3%が利用意向を持っていることが明らかになった。
利用意向がある回答者にその理由を聞くと、「どのようなことができるのか試してみたいから」が63.1%と最も多く、「今後のキャリアに活きそう」が53.8%で続いている。
全ての回答者に量子コンピュータの実用化時期を尋ねると、「3年~10年未満」が37.6%と最多であり、以下「10年~30年未満」(25.7%)、「3年未満」(11.9%)の順だった。
今回の調査結果について同社は、量子コンピュータへの注目を認知している技術者でも約4割は具体的な活用方法を知らず、また58.1%が欧米と比較して日本での導入状況が遅れていると見ており、さらに実用化へは時間がまだかかると想定する技術者が多いことから、今後の日本企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進において重要な役割を担っていくと考えられる量子コンピュータに関する知見の獲得が喫緊の課題だと指摘している。