シスコシステムズは11月15日、ハイブリッドワークに向け、リアルタイム翻訳などの新機能や新たなWebexデバイスを発表した。

シスコシステムズ 執行役員 コラボレーション・アーキテクチャ事業担当 菊池政広氏は、今後、コラボレーション事業については、ハイブリッドワーク、カスタマーエクスペリエンス、変化に即応できるコミュニケーションプラットフォームに注力するとした。

  • コラボレーション事業の重点戦略

同氏はこの中のハイブリットワークについて、「テレワークは効率が悪い、アウトプットが低いと言われるが、ニューノーマルな働き方はオフィスとテレワークが混在する環境があたり前になり、これはパンデミックが終わっても変わらない。われわれが目指すハイブリッドワークは、オフィスの場所やツールに依存せず、成果を出せることだ」と語った。

  • シスコシステムズ 執行役員 コラボレーション・アーキテクチャ事業担当 菊池政広氏

コミュニケーションプラットフォームについては、電話、PBXのクラウド化、カスタマーエクスペリエンス領域では、コミュニケーションの部分でサポートし、コミュニケーションと業務連携を目指すという。具体的には、コミュニケーションプラットフォームの提供するAPIによって、業務連携を実現するという。

シスコシステムズ コラボレーション・アーキテクチャ事業 部長 大野秀記氏は、菊池氏が語った3つの注力領域の中の、ハイブリッドワークに向けたWebexの機能強化ポイントを説明した。

  • シスコシステムズ コラボレーション・アーキテクチャ事業 部長 大野秀記氏

強化点の1つ目は翻訳機能で、リアルタイム翻訳を実現し、13の音声言語を108のテキストに翻訳できるという。

  • 翻訳はテキストとしてもダウンロードできる。日本語を日本語で出力し、音声データの文字お越しとして利用でき、記事録としても活用できる

2つ目はレイアウトのカスマイズで、主催者が見せたいレイアウトにカスタマイズでき、見せたい画面を強制的に配信したり、特定の人物のみを配信、話者だけを配信するといったことができるという。こちらは、すでに実装済。

  • 画面レイアストのカスタマイズが行える

3つ目はSocio + Webex Eventsによる最大10万規模の配信。特徴はSocioで、イベント開催に必要なランディングページ、参加登録、当日のアジェンダ、コンテンツ配信、アンケート、集計機能を提供する。こちらの機能は近々追加されるという。

  • Socio + Webex Eventsによる最大10万規模の配信

4つ目は新たなデバイスの提供。今後、Webex用のデバイスを拡張する予定で、コンパクトや会議室用デバイスや大人数向けのホワイドボード型のデバイスを発表するという。

  • 新たなデバイスの提供。左が、持ち運びが可能なコラボレーション専用端末「Webex Desk Mini」で2022年3月~4月国内販売開始予定。右が「Webex Board Pro」で4Kカメラ搭載のデジタルホワイトボード。2022年2月~3月国内販売開始予定

今後発表するデバイスは、デバイスのみで、他社製のオンライン会議システムとも接続可能にしていくという。

  • 今後、デバイスのみで、他社製のオンライン会議システムとも接続可能に

また、AI によるノイズ除去を搭載し、声を最適化しイコライズすることで、出席者の声をクリアに聞き取れるようにし、発言者の選択により、話し声と背景ノイズを分け、雑音を除去できるようになったという。さらに、Personal Insightsという機能を近々追加する予定で、オンライン会議に、時間通りに参加した割合、会議で発言した割合などを確認することができるという。

  • Personal Insights

そのほか、ハイブリッド化が遅れている業種・業務をサポートすることにも注力する。

1つは営業向けで、7月に発表したLINE WORKSとの連携で、顧客がWebex環境がなくても、LINE WORKSのチャットから、ビデオ通話、資料共有といったWebexの機能がそのまま利用できる。今後はオンライン商談時のチャット、会話などをすべてDB に蓄積し、営業活動における生産性の向上を実現するという。

  • 営業のDXを加速

現場とエキスパート間のコラボレーションもハイブリッド化し、今後は、さまざまなデバイスメーカーと連携し、ウェアラブルカメラやHologramを提供していくという。

  • ウェアラブルカメラやHologramを提供