シスコシステムズは7月7日、電話(クラウド電話)、会議、メッセージ(ビジネスチャット)、投票、イベントなどの複数のオンライン コミュニケーションツールがひとつになったアプリケーション「Webex Suite」発表した。

同社では、昨年の9月から今年の5月までの9カ月間で、Webexに800以上の機能追加を行ったという。

シスコシステムズ 代表執行役員 社長 中川いち朗氏は、「コロナ後のニューノーマルの時代においては、全員がオフィスに戻ることはなく、バーチャルとリアルが共存していく、ハイブリッドな環境が定着すると考えている。Webexはこのような未来を見据えて、バーチャルでも対面以上の体験をできるように過去9カ月、800以上の新しい機能、イノベーションを搭載した」と語った。

7月7日の記者説明会では、強化された機能の主要なものがデモを交えて紹介された。

Webex Callingでは、会社の固定電話にかかってきた電話を、自宅のスマホでWi-Fi経由で受けることができ、個人所有のスマホから顧客に電話した場合でも、相手には、会社の固定電話の番号で着信させることができるという。

  • Webex Calling

  • 個人の携帯から顧客の携帯に電話したケース。相手には、会社の固定電話の番号が通知される。

また、会社の部門代表の番号にかかってきた電話も、会社の電話とその部門に属する社員のスマホに着信し、会社、自宅のどちらでも受信することが可能だという。

Web会議において発言者の雑音をAIを使って除去する機能も、abbleLabs社を買収することで追加。音楽を相手に聞かせたい場合に備えて、Music Modeも搭載されている。今後は、後ろで話している人の声を除去し、本人の音声だけを伝えるMy Voice Only modeも追加されるという。

  • AIを使ったノイズ除去機能

また、没入感を出す演出として、共有しているプレゼン資料の中に、自分の映像を合成できるイマーシブシェア機能も搭載された。

  • イマーシブシェア機能

「Slido」では、双方向のライブQ&Aや投票を集計する機能を搭載。Q&A 、ライブ投稿、クイズなどを通じて、参加者からリアルタイムに意見を収集することができ、投票結果も意見が多いものは大きな文字で表示したり、順番を上に設定できるなど、双方向なエクスペリエンスを提供する。「Slido」は、別途3万円の料金が必要だったが、Webexに組み込まれたことで、追加料金なしで利用できるという。

  • 「Slido」

  • ライブアンケート

  • こちらはWord Cloud。短いWordを投票してもらい、投票数に応じて、表現を変えることができる

同社はこれまで、「Cisco Webex Meetings」ライセンスについて、従業員の15%のライセンスで全従業員が初年度利用できる特別プランを提供していたが、新たに、40人分のWebexライセンスで初年度、全従業員がWebexのフルライセンスを利用できるハイブリッドワーク支援特別プランを開始している。

  • ハイブリッドワーク支援特別プラン

シスコシステムズ 執行役員 コラボレーション・アーキテクチャ事業担当 石黒圭祐氏は、「WebexはWeb会議のアプリケーションとして認知されているが、われわれはこれをビジネスのアプリケーションに変化させていきたい。ITの映像のテクノロジーはこれまで以上の変革を生む可能性がある。それは、消費者であるわれわれがよりスピード感のあるものを求めているからだ」と語った。

  • シスコシステムズ 執行役員 コラボレーション・アーキテクチャ事業担当 石黒圭祐氏