コーニングインターナショナル(以下、コーニング)は10月28日、「Centrix超高密度光配線キャビネット」を開発したとして、記者発表会を開催した。マルチテナントデータセンターであるアット東京のデータセンターに、国内で初めて導入したとのことだ。
同社が今回発表したCorning Centrix光配線キャビネットは、超高密度でありながら運用のしやすさを追求した、データセンターやセントラルオフィスのインフラを担う高密度光配線ソリューションである。
超薄型の12SCポートカセットを開発したことで、キャビネットには計5472ポートを収容可能となった。さらに、カセットは引き出し可能であるため、完全フロントアクセスを実現している。従来はキャビネットの背後からの作業も必要だったが、同ソリューションでは不要だ。これによって、キャビネットを背中合わせて設置できるようになるとともに、壁面への設置も可能だ。
カセットは12心トレイを実現しており、従来の一般的な24心トレイと比較してポートの無駄が少ないのだという。また、単心、4心、12心のそれぞれについて、熱で光ファイバーを一体化させる「融着」もできる。
キャビネットの開発にあたってコーニングは、アット東京が求める「ジャンパーコードとケーブルを上下どちらからでも入れられる」「ケーブルとジャンパーコードが干渉しない」「ジャンパーコード接続もケーブル融着も前面施工型とする」「12芯単位で作業が可能であること」といった、50以上の要件を達成したとのことだ。
今回開発したキャビネットは、ケーブルやジャンパーコードを容易に管理できる設計となっている。一次側ケーブル入線口と二次側ジャンパーコード接続箇所を分離したことで運用時および構築時、撤去時に派生し得る「折れ」「よれ」などのリスクを低減する。ケーブルマネージャはアルファベットや色を用いて識別できるようになっており、ユーザーが回線で使用する数字と混同せずに運用可能だ。