NECは10月8日、米Facebookと欧州と米国を結ぶ超大容量光海底ケーブルのシステム供給契約を締結し、建設を開始したと発表した。同ケーブルはFacebookが計画・運用し、NECが建設を行う。同ケーブルはNECとして初めて手掛ける北大西洋横断ケーブルだという。

一般的に、中継器による光増幅が必要な長距離光海底ケーブルでは、ケーブル1本に収納する光ファイバーの数は最大でも32心(16ファイバーペア)程度だが、今回使用するケーブルではNECが新たに開発した48心(24ファイバーペア)の海底ケーブルを世界で初めて採用するという。

これにより、ケーブル単体では32心のケーブルと比較して1.5倍の伝送容量を実現し、毎秒0.5ペタビット(0.5Pbps)の設計容量を可能にする。これは中継器による光増幅が必要な長距離光海底ケーブルとしては、世界最大容量となる大容量伝送とのことだ。

近年、5Gの普及に伴うモバイルデータ通信量の増大や各国でのデータセンター建設増加などを背景に、国際通信における回線需要の大幅な拡大が予想されている。特に欧州と米国を結ぶ北大西洋地域は、2021年~2035年の間にデータ通信量が約20倍になると予測されている(米Telegeography調べ)。

NECは、地球7.5周分のべ30万kmを超える敷設実績がある。なお、深海8000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能なNECの子会社であるOCCが、今回設置するケーブルの製造を担当しているとのことだ。