NECは9月30日、工場内の組立・検査工程のカメラ映像から作業員の手や体の動きを自動で検出し、稼働状況を計測・分析することで生産性向上を可能にする「工場付加価値時間計測ソリューション」を発売した。
近年の日本における少子高齢化に伴う工場での作業員の不足や、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による人の移動制限に伴う海外生産拠点などへの技術サポートの困難化などといった問題から、遠隔での技術伝承や、生産効率向上支援が求められるようになってきた。
同ソリューションは、独自の映像分析技術を活用して作業員の手や体の動きを自動で検出し、検出した時間を組立・検査工程における付加価値時間に換算して計測。計測したデータから稼働率の数値化や作業エリアごとの状況のグラフ化を行い、工程間の関連性やボトルネックとなっている工程を分析することを可能とするというもの。これを製造ラインの人員配置の検討や作業員の育成につなげ、製造ラインの最適化を図っていくことで、生産性の向上を果たすことができるようになると同社では説明している。
また、映像分析として、手・人などに特化した映像分析用の学習モデルの採用により、分析処理にかかる負荷を低減することで、汎用的なCPUを搭載した機器(公式にはNECプラットフォームズ製で動作検証済みのコンパクトボックス型コントローラを推奨)での利用が可能だとしている。
なお、同ソリューションは6か月に一度のメジャーアップデートを組み込んだ1年間のライセンス形態での提供となっており、希望小売価格は70万円(税別)としている。同社では今後3年間でグローバルで1000ライセンスの販売を目指すとしている。