ピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)、三菱地所、Tokyo Marunouchi Innovation Platform(TMIP)は9月6日、PxDTの持つ大学発の先端テクノロジーを活用した共同実証実験を開始すると発表した。
実証実験の第一弾として、東京都丸の内エリアで2つのプロジェクトが開始される。1つ目は「字幕透明ディスプレイ」の実証である。同技術は、難聴者や他言語話者とのコミュニケーションのために、リアルタイムで字幕を表示する透明色のディスプレイだ。
話し手が自動音声認識の誤認識を確認するために、文字起こしの結果はディスプレイの両側に向けて表示される。透明度の高いディスプレイを使用することによって、相手のボディランゲージと文字の両方を確認しながら会話できるという。
さらに、同時翻訳機能を備えているため、多言語間のコミュニケーションの円滑化も期待できる。同実証ではオフィスビルの受付に「字幕透明ディスプレイ」を設置することにより、難聴者や他言語話者とのコミュニケーション向上を検討する。
2つ目は吸音材「iwasemi」の実証だ。同技術は、音響メタマテリアル技術に同社独自の吸音設計技術を応用することで開発した吸音材である。コロナ禍におけるオフィス内でのWeb会議の増加により、騒音を問題視する声も増えていることから、同技術を用いたオフィス内での音問題の解決を検証する。
PxDTは、デジタルによるダイバーシティ社会を目指して、大学発の先端テクノロジーの社会実装を進める。一方で、三菱地所は6月に「三菱地所デジタルビジョン」を策定し、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって生活者が暮らしやすさを実感できる新しいまちづくりを目指す。
三社は同実証で、デジタルとアナログをつなぐインタフェースの在り方を検討し、急速に変化するまちの課題を共に解決することで、多様な生活者が暮らしやすさを実感できるまちづくりを目指すとしている。