塩野義製薬は7月26日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向け治療薬(開発番号:S-217622)の経口投与抗ウイルス薬として、日本で第1相臨床試験を開始し、7月22日に初回投与を実施したことを発表した。

同治療薬は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が増殖する際に活用する酵素「3CLプロテアーゼ」を選択的に阻害することで、新型コロナの増殖を抑制することを可能とするもの。新型コロナ感染動物を用いた非臨床試験において、ウイルス量を速やかかつ有意に低下させることが確認されたことを踏まえ、今回の臨床試験では、健康な成人男性75人を対象に、治療薬服用時の体内動態、安全性、忍容性の確認を行うとしている。

低分子の経口抗ウイルス薬で、感染の早期段階で同治療薬を投与することで、ウイルスの増殖や重症化を防ぐ効果が期待できるとしていう。

なお、同社では同治療薬の実用化の時期などについては、明らかにしていない。