日立製作所、日立システムズ、日立社会情報サービスの3社は6月17日、自治体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向け、2020年12月に総務省が公開した「自治体DX推進計画」に対するソリューションを新たに体系化した。

  • 日立グループが自治体DX推進で目指すデジタル社会

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同グループは自治体DXの取り組みテーマとして、住民手続きのデジタル化、職員環境のデジタル化、地域間連携などのデジタル化、自治体DXの推進基盤整備を推進し、自治体DX推進計画の着実な実行を支援するほか、住民の利便性を向上する行政サービスの提供に向け、パートナー各社とも連携しながら自治体の抱える多様な課題解決に貢献していく方針だ。

また、地域間連携による新たなイノベーションの創出を含め、全ての人のQuality of Life(QoL)を向上するデジタル社会の実現に貢献していく。

  • 自治体DX推進計画に対する重点取り組み事業

同グループが策定した自治体DX推進計画に対する重点取り組み事業は、以下の6点。

  1. ADWORLDの標準化・行政手続のオンライン化対応
  2. デジタル技術などを活用した自治体事務効率化への対応
  3. BPOによるDX推進人材の補完・デジタル人材の育成支援
  4. 庁内業務のBPR
  5. 官民連携・他社協業によるスマートシティ推進
  6. 自治体DXの推進基盤整備

ADWORLDの標準化と行政手続のオンライン化対応に関しては、総務省が2020年9月に公開した「住民記録システム標準仕様書」をはじめ、今後策定・公開される標準仕様に準拠した製品を2022年から順次提供開始する。

また行政手続オンライン化のソリューションとして、スマートフォンなどのデバイスを使用する住民票の発行申請などを新たに実現し、住民手続きのデジタル化や職員環境のデジタル化を推進する。

自治体事務効率化への対応については、AI(人工知能)や2次元バーコードを使用して転入・転出・転居の申請手続きをデジタル化し、効率的で円滑な自治体窓口業務を実現する新たなソリューションを順次提供する。

BPO(業務プロセスの外部委託)によるDX推進人材の補完・デジタル人材の育成支援に関しては、自治体職員のITスキル習得に向けた教育メニューやDX推進に向けたマインド醸成用プログラムのコンテンツを順次拡充して提供する。加えて、人的資源のシフトによる行政サービス向上のために、民間企業向けに実績があるというBPOサービスを提供する。

庁内業務のBPR(Business Process Re-engineering)については、申請手続きを簡素化する新たなソリューションの提供により、テレワーク、ペーパーレス、ハンコレスなどに向けたBPR(標準化・ワンストップ化など)を実現し、職員環境のデジタル化を推進していく。

スマートシティ推進に関しては、官民連携、他社との協業、異なる分野間・地域間における多様なデータ・サービスの連携を促進するため、データ連携基盤を整備して地域間連携などのデジタル化を推進する。

自治体DXの推進基盤整備については、ガバメントクラウド(Gov-Cloud)を利用した標準システムへの移行を支援する。また、これまでの大規模な法改正の対応で培ったノウハウから想定する移行パターンや手順の整理など、繁忙期でもスムーズな移行を実現できる推進体制を整え、対応していくとのことだ。