WordPress開発チームは5月19日(米国時間)、公式ブログのエントリ「News – Dropping support for Internet Explorer 11 – WordPress.org」において、2021年7月にリリースが予定されているバージョン5.8でInternet Explorer 11(IE11)をサポートしない方針を伝えた。WordPressでは同3月の時点ですでに近い将来IE11のサポートを終了する方針を表明していたが、その具体的な対象バージョンが決定した形だ。
WordPressは2021年初旬、Webブラウザ全体におけるIE11のシェアが1%未満となった場合にサポートの終了を検討する方針を表明していた。そして、調査によってIE11のシェアが1%を下回っていることが判明し、サポート終了のためのタイムラインを設定することを決めた。サポート終了のバージョンについては、最終的に5.8のリリースチームによって決定された。
IE11がWordPressのサポート対象から外された場合、さまざまな機能においてIE11のテストが行われなくなるため、正常な動作が保証されなくなる。WordPress Coreのソースコードの一部を自動生成するツールにおいても、IE11向けのコードが生成されなくなるため、その生成ファイルに依存する機能は正常に使用できなくなる。特にブロックエディタについては、関連するほとんどすべてのファイルがこの自動生成ツールでコンパイルされるため、特に強い影響を受けるという。
IE11のサポート終了は2020年以前から将来の可能性として告知されており、IE11ユーザーに対してはWordPressダッシュボードで警告が表示されるようになっていた。現在IE11を使用している場合、Google ChromeやFirefox、Safari、Microsoft Edgeといった最新のWebブラウザに移行することが推奨されている。既にこれらの最新のブラウザを利用しているユーザーにとっては、IE11のサポート終了はパフォーマンス向上につながるため、プラスに働くことになるという。
なお、WordPressのこの決定と時を同じくして、Microsoftは2022年6月15日をもってIE11のサポートを終了する方針を発表している。これによって、IE11から他のWebブラウザへの移行は正式にタイムリミットが決定したことになる。