日本ヒューレット・パッカード(HPE)は5月13日、x86サーバー 「HPE ProLiantファミリー」、「HPECray EX supercomputerファミリー」において、新モデル18機種と、新保守サービスを発表した。同日より順次提供を開始する。

  • HPE ProLiantファミリー

  • HPE Cray EX supercomputerファミリー

新モデルは「HPE ProLiantファミリー」、「HPE Cray EX supercomputerファミリー」の現行モデルの上位モデルに位置付けられるハイパフォーマンス・サーバ。最新の第3世代AMD EPYCTM 7003シリーズプロセッサー、または、第3世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーを搭載。

また、 PCI Express GEN4の採用で帯域幅が従来の2倍になっているほか、NVMe SSD RAIDをサポートし、NICを従来のFlexibleLOMからオープンスタンダードなCCP規格に変更している。

さらに、インテル Xeonモデルでは、スロットが増えたことで、最大メモリ帯域幅が1.6倍、容量が2.66倍になっている。

  • 新サーバの特徴

新製品のラインアップは以下の表の通り。

第3世代 AMD EPYCTM 7003 シリーズプロセッサー対応製品

サーバ名 価格(税別) 販売開始日
HPE ProLiant DL325 Gen10 Plus v2 963,000円~ 2021年5月13日
HPE ProLiant DL345 Gen10 Plus 528,000円~ 2021年5月13日
HPE ProLiant DL365 Gen10 Plus 655,000円~ 2021年5月13日
HPE ProLiant DL385 Gen10 Plus v2 793,000円~ 2021年5月13日
HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System(HPE ProLiant XL225n Gen10 Plus)   2021年5月13日
HPE Apollo 6500 Gen10 Plus System(・HPE ProLiant XL675d Gen10 Plus・HPE ProLiant XL645d Gen10 Plus   2021年5月13日
HPE Cray EX supercomputer EX425   2021年5月13日
HPE Cray EX supercomputer EX235n   2021年5月13日
HPE Cray EX supercomputer EX235a   2021年夏

第3世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー対応製品

サーバ名 価格(税別) 販売開始日
HPE ProLiant DL110 Gen10 Plus 1,238,000円~ 2021年5月13日
HPE ProLiant DL360 Gen10 Plus 1,127,000円~ 2021年5月13日
HPE ProLiant DL380 Gen10 Plus 1,150,000円~ 2021年5月13日
HPE Synergy 480 Gen10 Plus   2021年夏
HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System(・HPE ProLiant XL220n Gen10 Plus・HPE ProLiant XL290n Gen10 Plus   2021年5月13日
HPE Edgeline EL8000 Converged Edge System
・HPE ProLiant e920 Server Blade
  2021年夏
HPE Edgeline EL8000t Converged Edge System
・HPE ProLiant e920t Server Blade
  2021年夏

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 コアプラットフォーム事業統括 本田昌和氏

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 コアプラットフォーム事業統括 本田昌和氏は、国内市場では、5G/IoT、Digital Workplace、Data Management AI、ハイブリッドクラウドの4つの領域に注力しており、それぞれの新製品は下記の図通りの用途を想定しているとした。

そして同氏は、今後HPEは、ワークロード最適化、360度セキュリティ、インテリジェント・オートメーション、as-a-serviceエクスペリエンスの4つに注力して製品開発を行うとした。

ワークロード最適化では、40年に渡るサーバ提供の経験から得た知見を基に、顧客にワークロードに最適な構成やオプションの情報を提供するとした。「HPEが大きく貢献できる部分だ」(本田氏)。

  • 新サーバの最適なワークロード

  • ワークロード最適化

360度セキュリティでは、ゼロトラストの考えに基づいて、シリコンレベルの信頼性 (Silicon Root of Trust)など、セキュリティ機能を強化するとした。

  • 360度セキュリティ

インテリジェント・オートメーションでは「管理いらず」を追求し、HPE OneViewを通してシステム全体に自動化を組み込むほか、HPE InfoSightにより、AIを活用した障害の予兆検知などを提供。as-a-serviceエクスペリエンスでは、HPE GREENLAKEによって、インフラのas-a-serviceモデル化を図っていくとした。

  • インテリジェント・オートメーション

  • as-a-serviceエクスペリエンス

AIを活用し再定義した新しい保守サービス「HPE Pointnext Tech Care」

また、同社は同日、AIを活用し再定義した新しい保守サービス「HPE Pointnext Tech Care」も発表した。すでに、既存製品の一部には提供されているが、新製品では、今回が初採用だという。

「HPE Pointnext Tech Care」は、製品保証の「HPE Warranty」と最上位の保守サポート「HPE Pointnext Datacenter Care」の中間に位置するもので、従来の「HPE Proactive Care」と「HPE Foundation Care」を統合したもの。価格は「HPE Foundation Care」に近いという。

  • HPE Proactive CareとHPE Foundation Careを統合

「HPE Pointnext Tech Care」では、新たにデジタルカスタマーエクスペリエンス(DCE)を提供。これまで故障があった際は、電話等で窓口に連絡し、契約内容や状況確認が必要だったが、VirtualAgentとチャットにより、製品のシリアル番号を入力することで、契約内容や状況確認できる。

  • AIを活用したサービスに

  • VirtualAgentとチャット

部品を自分で交換する場合は、交換の仕方を動画で提供するという。今後は、AIを活用した分析機能も提供していく。将来は、DCEとHPE InfoSightは統合されるという。