TrendForceによると、第1世代のSi、Ge、第2世代のGaAs、InPに続く第3世代半導体(SiCやGaN、ZnOなど)の市場は自動車、産業機器、通信アプリケーションといった分野からの需要の増加に伴い、2021年に急成長が期待されるという。中でもGaNパワー半導体は前年比90.6%増と高い成長率が見込まれ、市場規模も6100万ドルに達するとみられるという。

2021年のGaNならびにSiC市場の高い成長率の背景としてTrendForceでは、以下の3点を挙げている。

  1. 世界規模で進む新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向けワクチンの接種により、感染が抑制され、それに伴い、通信基地局やインバーター、コンバーターといった分野での需要が安定して伸びることが期待される
  2. テスラがモデル3のインバーターにSiC MOSFETを採用し始めたことを機に、自動車業界でのSiCへの注目度が増している
  3. 中国が2021年より開始する新5か年計画で、巨額投資を半導体に行い、自給自足に向け、第3世代半導体の生産能力の拡大が期待される

TSMCなど一部のファウンドリでは、200mm(8インチ)ウェハを使用したGaNデバイスの製造を試みているが、いまのところ150mm(6インチ)ウェハが主流である。一方、新型コロナの感染拡大がワクチン接種などによる減速することへの期待から5G基地局のRFフロントエンド、スマートフォンの充電器、および自動車の車載充電器に対するGaNデバイスへの需要の伸びが期待されるという。中でもGaN RFデバイス市場は2021年、前年比30.8%増の6億8000万ドルに達すると予測されるほか、前述のとおりGaNパワー半導体市場も同90.6%増の6100万ドルと高い伸びを示すことが期待されるとしている。

このGaNパワー半導体市場の伸びを支えるのは、主にXiaomi、OPPO、Vivoなどの中国スマートフォンメーカーによる急速充電器のリリースだという。GaNパワー半導体を用いた急速充電器は、効果的な熱放散と省フットプリントを武器に市場から良い反応を得ているという。一部のノートパソコンメーカーも、その充電器にGaNを用いた急速充電技術を採用しようとしているという話もあり、今後、より多くのスマートフォンおよびノートパソコンの充電器にGaNパワー半導体が搭載されることが期待されるとTrendForceでは見ている。

  • パワー半導体市場推移

    GaNパワー半導体の市場推移予測 (出所:TrendForce)

一方のSiCもすでにRFフロントエンドやパワー半導体として広く活用されており、現在の主流である6インチの供給は比較的不足気味になるほど活況を呈していることから、TrendForceはで、2021年のSiCパワー半導体市場を前年比32%増の6億8000万ドルと予測している。なお、CreeやII-VI、STMicroelectronicsといった主要なウェハサプライヤ各社ともに8インチSiCウェハの実用化を目指しているが、その時期は少なくとも2022年以降になるとみられるという。

  • パワー半導体市場推移

    SiCパワー半導体の市場推移予測 (出所:TrendForce)