KDDIと三井物産は3月19日、位置情報などのビックデータや人工知能 (AI) を活用し、人が移動する手段・時間・場所・目的を把握可能とする「次世代型都市シミュレーター」の開発を開始すると発表した。

両社は、同シミュレーターを活用した都市状況の精緻な可視化と将来予測のシミュレーションを通じて、スマートシティの開発を支援し、5G・金融・MaaS・エネルギー・インフラを含む新たな事業創出を目指す方針。

  • 「次世代型都市シミュレーター」イメージ

同シミュレーターでは、au契約者から同意を得て取得した位置情報や国勢調査などのさまざまなビッグデータに、機械学習手法の「Activity Based Modeling」(さまざまな個人属性や制約条件を考慮したうえで、個人や世帯を分析する手法)を掛け合わせることで、AIが一人ひとりの移動を予測した上で地図に表示し、都市内の人の動きそのものをモデル化するとしている。

【関連記事】
≪コロナ禍における大阪府のスマートシティ戦略とは?≫
≪多様な働き方に応えるオフィスを三井不動産が柏の葉スマートシティにオープン≫

このモデルを活用することにより、従来の調査方法手法では見えてこなかった、人の移動の目的、手段、経路といった情報が可視化でき、これまでは数カ月かかっていた分析・予測を、数時間から数分での実現を目指す。また、利用者が任意に設定した条件をもとに都市人流の予測が可能となり、各エネルギーの需要予測や施設の混雑予測をリアルタイムにシミュレーションすることが可能だとしている。

さらにKDDIは、5G基地局や電気自動車の充電スポット、自動運転バスの停留所などの配置場所の検討や、自動運転ルートのシミュレーションなどにも取り組む。

両社は、同シミュレーターの有効性を2021年3月以降実証し、2021年度中の事業化を目指している。