千葉大学医学部附属病院(以下、千葉大学病院)と、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は2月8日、「秘密計算ディープラーニング」などの技術を活用した研究に関し、2月1日に「秘密計算システム、秘密計算ディープラーニングに関する共同研究協定書」を締結したことを発表した。
千葉大学病院は、複数の診療科で進めている臨床研究において、NTT Comのクラウドサービスやネットワークサービスに加えて、NTTの「秘密計算システム」「秘密計算ディープラーニング」を利用した共同研究を行う。
今回、「秘密計算システム」を利用し、複数の施設から収集した臨床研究データが、施設間で相互に秘匿された状態で分析可能かどうかを検証するという。これにより、千葉大学病院の各診療科は、複数施設の臨床研究データを用いて臨床研究に必要な横断研究や縦断研究を実施する可能性が広がるということだ。
また、複数施設から収集した臨床研究データを秘匿した状態のままでAIモデルの作成が可能な「秘密計算ディープラーニング」を利用することで、従来の手法では時間を要していた疾患の診断時間短縮の実現を目指すという。加えて、処方する薬剤の選定を補助するAIモデルを作成し、患者の状態に応じた最適な薬剤を処方することにより病状の進行を抑える研究につなげるとしている。
今後、千葉大学病院では、この協定及び研究をもとに、臨床研究データを安全に利活用できる環境を活用し、特定機能病院として高度な医療技術の開発・評価へ貢献していくという。また、NTT Comは、機密性の高い診療情報である臨床研究データの安全な利活用を支えるソリューションの提供を通じ、日本の医療発展や、ICTやデータを利活用することで治療が難しい症例の早期治療開始へ貢献するSmart Healthcareの実現に取り組む構えだ。